複数の工場における複数レベルのトランスフォーメーション
ノーボード社がパイロット工場で展開した最も初期のデジタルソリューションの中には、FactoryTalk Analytics for Devicesの産業用情報アプライアンスがあります。これは、デバイス健常性情報を取り込み、特定のイベントについて検証し、その結果をユーザグループに警告として発するものです。
このアプライアンスは、人間が気付かない可能性のあるデバイス健常性の微妙な変化を検出することが可能で、それを基に大きな問題を未然に防止できます。これにより、工場は事後対応型からより予兆保全型/コンディションベースのメンテナンスにシフトすることができます。
実際、このアプライアンスはシステム全体に統合され、各デバイスの健常性情報を関連するプロセスの稼動情報と結び付け、状況を通知し、ひいては作業指示の自動化へと繋がっていきました。
シューベルト氏は次のように述べています。「12もの制御画面を見て警告灯が消えるのを待つのではなく、プロセス全体での何らかの変化を自動的に検知することができます。そして、システムは誰にどの情報を伝えるべきかを知っていて、それをモバイルデバイスのメッセージとして適切なユーザグループに伝達します。」
こうしてパイロット工場では、機器監視を簡素化し、より適切なデータを使用して、よりスマートな意思決定を行なうことで効率と生産性を向上させていきましたが、一方で、複数拠点での実装を実現するには、インフラ、分析システム、ソフトウェア、およびリモート操作性などをアップグレードさせる必要がありました。
シューベルト氏は次のように述べています。「大量のデータ生成と収集は当然必要でしたが、サポートが困難で何よりそうしたデータの処理についていけない旧式のシステムが数多くありました。私たちは効率化によって対処しようとしましたが、すべての工場を含めた会社全体のプロセスを見直す必要があることに気づきました。」
作業者中心のアプローチ
早期段階では、パイロット工場において、関連するすべての作業工程で大幅な改善が示されました。具体的には、OEEの改善とダウンタイムの低減、品質関連問題の減少、製品のコストとレシピ構造の改善などです。
デジタルトランスフォーメーションでは、作業員が新しくて馴染みのないテクノロジに適応する必要があり、そこが正にロックウェル・オートメーションがサポートしている部分です。
シューベルト氏は次のように述べています。「当社では、ロックウェル・オートメーションとそのパートナから、革新的で献身的なチームのサポートをいただきつつ、作業者目線でのデータ、制御、レポーティングを実現できるより優れたソリューションとテクノロジを常に模索しています。
ロックウェル・オートメーションには、作業者を念頭に置いたダッシュボード設計に豊富な経験をもつチームが存在し、オペレータと工場マネージャの両者が使いこなせ、データの信頼性と関連性を高めることができるソリューションを模索していました。ですから、彼らが常に当社の従業員のニーズを優先してきてくれたことはありがたいことでした。」
FactoryTalk InnovationSuiteでは、OEEやMES、MPC、RCAなどからのデータがすべて1つの画面にわかりやすく表示されるため、オペレータと工場マネージャの両者が容易に使用できます。