ABIリサーチ社のジェームス・プレストウッド氏が、アジア太平洋(APAC)地域の製造メーカがどのように技術トレンドを上手に操り、活用するかについての洞察を語ります。
デジタルトランスフォーメーションは、アジア太平洋地域の製造業の競争力と成長の重要な原動力となっています。アジア太平洋地域の企業は、業務効率の向上、コスト削減、持続可能性の向上を実現するために、新技術の導入を加速させています。
ABIリサーチ社の産業・製造業アナリスト、ジェームス・プレストウッド氏とのインタビューで、APACの製造業のトレンドと課題、そしてよりデジタル化された未来に向かう企業の機会について議論します。
東南アジア全域でのテクノロジの投資
この地域の国々はスマートマニュファクチャリングの導入段階が異なるが、全体としては着実に成長しています。ABIリサーチ社によると、東南アジア(SEA)のデジタル支出は、2024年の1,010億ドルから2028年には3,020億ドルに増加すると予測されており、支出上位はマレーシア、タイ、シンガポールです。
プレストウッド氏は、こうした投資は、中国を拠点とする企業が他の経済圏、特に中東・アフリカ諸国への投資を増やしているチャイナプラスワン戦略を背景に行なわれたものであり、製造市場の大幅な成長を促進し、より「デジタル的に成熟した」生産方法の採用を増やすのに役立っていると指摘しました。
プレストウッド氏は次のように述べています。「特にタイ、ベトナム、マレーシアのような国々では、政府の支援も製造業におけるテクノロジの使用を後押ししており、これは短期的には業界の変化を刺激する素晴らしいものです。しかし、長期的には、これらの国の製造業が市場のリーダになりたければ、デジタルトランスフォーメーションが自社の業務に与える影響を真に認識し、評価しなければなりません。そうすることで、政府の減税や補助金に反応して支出を促進するのではなく、新技術への投資と採用を促進することができます。」
最前線の副操縦士としてのテクノロジ
APACでは、より多くの企業が未熟な労働力の問題に直面しているため、人材格差の拡大が懸念されています。
ABIリサーチ社によると、製造業における一般的なテクノロジ活用事例には、データ分析や予知保全などがあります。