騙されないで: サプライチェーンの寸断により、産業用オートメーション製品の不正な転売者や偽造者が出現しています。
現在、多くのグローバル市場では、原材料や労働力の不足によるサプライチェーンの中断が発生しており、産業用オートメーション製品のお客様は、オンライン再販業者、並行輸入業者、ピア・ツー・ピアのマーケットプレイスなど、「グレーマーケット」と呼ばれる別の販売店から購入したいという誘惑にこれまで以上にさらされています。残念ながら、お客様が知らないうちにロックウェル・オートメーション製品の規格外品や偽造品を入手してしまうケースが増えています。さらに、正規販売店や認定代理店以外から入手した製品が物理的に本物であったとしても、お客様の期待を下回ることが多く、正規販売店から購入したロックウェル・オートメーション製品よりも常に劣っています。騙されないでください。
「グレーマーケット」とは何か?
ロックウェル・オートメーションは、長年にわたって信頼できる限定販売モデルを採用しています。当社の製品は、お客様に直接販売するか、当社のグローバルな正規販売代理店ネットワークを通じて販売しており、当社の正規販売代理店は、未承認の再販業者に販売することを禁じられています。未承認の再販業者は、通常、余剰製品、古い製品、中古製品、および偽造製品を入手し、何も知らないお客様に「新品」または同等の用語を使って宣伝することがよくあります。また、不正な再販業者は、偽装によって当社の正規ルートから製品を入手することもあります。一部の製品は、窃盗や横領の結果としてグレーマーケットに入ります。このように、当社の正規ルート以外で「新品」や「未開封品」として宣伝されたロックウェル・オートメーション製品の取引は、「グレーマーケット」と呼ばれています。
偽造品とはどういう意味か?
偽造品とは、ロックウェル・オートメーションの商標製品で、「新品」や「未開封品」として宣伝されている工場出荷時以外の要素を含むものを指します。グレーマーケットで見られるいくつかの例を挙げます。
- 古い製品、使用済みの製品、改造された製品、修理された製品が、偽の箱、偽の工場シール、偽のラベルで再梱包され、「新品」と誤認されているもの。
- プラスチック、ディスプレイ、電子部品、回路基板など、物理的に偽造された要素で構成された、またはそれらを含む製品。
事例紹介
- 通常はロックウェル・オートメーションの正規代理店から購入している北米のお客様が、あるプロジェクトで価格とリードタイムが逼迫していたため、代替品を探すためにウェブを利用しました。その結果、在庫があると称する米国のオンライン非正規代理店からロックウェル・オートメーションのブランドの製品を購入することになりました。米国の会社に発注した後、製品は中国の住所からお客様に不正に出荷されました。お客様は製品の出所を心配されていましたが、当社の専門家が分析した結果、かなりの数の製品が偽造品であることが確認されました。
- 南太平洋を拠点とするお客様が、最近導入したロックウェル・オートメーションの製品の品質に不安を感じて当社に相談に来られました。調査の結果、製品が純正品ではないことが判明し、その後、調達パートナがコスト削減のために非正規の再販業者から調達していたことも判明しました。このお客様は、偽造品のリスクにさらされているため、インストール全体を検証しなければなりませんでした。
- 欧州のお客様の調達チームのバイヤーが、コスト削減のためにロックウェル・オートメーションの製品を非正規の販売店から購入するようになりました。同社のエンジニアリングチームは、製品の品質低下に気づき、納入された製品の真偽について当社に懸念を示しました。その結果、その製品が偽造品であることが判明しました。この非正規販売店は、中国の企業から製品を違法に輸入しており、正規販売店であるとの虚偽の主張を裏付けるために偽造書類を提出していました。
- 東南アジアのお客様が、機械装置メーカから購入した機械の試運転中に、ロックウェル・オートメーションの製品の技術的な不具合を経験していました。お客様から品質に関する懸念が寄せられたため、調査を行なったところ、問題の製品が純正品ではないことが判明しました。その機械装置メーカは、コスト削減のために複数の非正規業者から購入していたことが判明しました。
厳しい教訓
私たちが遭遇する状況はそれぞれ異なりますが、お客様が偽造品を入手したことに気付いたときには、共通のテーマがあります。
- 購買行動の原動力となった予想されたコスト削減や納期の短縮といったメリットが失われるだけでなく、一般的には、その購買が元々正規販売店から行なわれていた場合に比べて、お客様はより不利な立場に置かれることになる。
- 調達先の組織やパートナに大きな恥をかかせる。
- 偽造品が施設内に侵入した場合にさらされるリスクにより、組織内やお客様との間に対立や懸念が生じる。
- プロジェクトや業務に重大な支障が生じる。
- グレーなビジネスであるため、関係する非正規販売店から状況を改善してもらうことが困難である。