産業用エッジの成長、拡張、管理
レイテンシ(遅延時間)の低減、データのコンテキスト化、ソースで利用できるデータの増加といったニーズがある中、デバイスをまたいだデータ収集、分析、運用管理において、産業用エッジは非常に重要です。接続されたすべてのエッジデバイスから得られるこの爆発的な量のデータは、非常に大きなメリットをもたらしますが、大量の情報、デバイス、アプリをどのように管理し、オーケストレーションするのでしょうか。エッジ管理は、展開を加速し、AI主導のプロセス最適化を可能にする次のフロンティアとなります。
エッジコンピューティングが重要な理由
ガートナーによると、デジタルトランスフォーメーションは、企業をより分散させ、エッジに拡大するよう促しています。ガートナーは、「2025年までに、企業が管理するデータの50%以上がデータセンターやクラウドの外で作成・処理されるようになる」と、「Gartner – Distributed Enterprise Drives Computing to the Edge | Equinix Analyst Reports」で予測しています。
エッジは、ITとOTの交差点に位置し、デジタルと物理の世界が融合しています。エッジは、データを収集・分析する物理的な場所の近くで行なわれるため、ローカルコンピューティングとクラウドコンピューティングの両方の長所を備えています。
エッジでのローカルコンピューティングは、分析に必要なレイテンシ、断続的な接続、高価なデータバックホールという課題に対処します。しかし、エッジでの実行は、メンテナンス、改ざんからのセキュリティ、ライフサイクル管理などの新たな課題とともにメリットをもたらします。
FactoryTalk® Edge™ Managerで、ロックウェル・オートメーションは、これらの重要な機能でエッジをより簡単にする新しいSaaS (サービスとしてのソフトウェア)ソリューションを提供します。
- セキュアな管理プレーンと独立したデータプレーン
- インテリジェントデバイスとエッジハードウェア、クラウドソフトウェアをつなぐエンド・ツー・エンドの提供
- 堅牢なデバイスとフリート管理
- 産業用エッジアプリケーションの市場
この最新のソフトウェアは、エッジデバイスとアプリの展開を1つのソースで管理するための高い生産性と効率性を実現し、ゼロトラストモデルでセキュリティ脅威を低下させます。また、複雑なユースケースに柔軟に対応し、ほぼすべてのハードウェアやクラウドプロバイダに対応します。
マネージドエッジがもたらすビジネス上の成果には、次のようなものがあります。
- データに手頃な価格でアクセス可能
- ソフトウェアの導入を高速化
- 将来に備えた分析プラットフォーム
- セキュリティ態勢の強化
- DXイニシアチブのスケーリングを向上
- 総所有コストの削減
デジタルトランスフォーメーションにおけるエッジの可能性は明らか
かつて専門家は、ITとOTの業務がクラウドに移行すると予見し、この5年間はIT分野のクラウド化が著しく、OTは遅れていました。しかし、現在はそれが急速に変化し、OTはITよりもさらに加速しています。エッジコンピューティングという新しい技術が、OTとITの距離をさらに縮めるこのトレンドを実現しています。クラウドとエッジでのSaaSにより、FactoryTalk Edge Managerは、OTシステムとクラウド間の接続性を維持するため、エッジコンピューティングに新しい役割を与えます。
このような傾向から、工場の現場ではますます多くのデジタル資産と多くのデータが作成されるようになってきています。このように急速に変化するダイナミクスは、簡素化、効率化、セキュリティに継続的に焦点を当てることをもたらします。
- データ作成・処理の増加
分散したタッチポイントでの交流のさらなるデジタル化と資産の計装化
- レイテンシ(遅延時間)の短縮やクラウド外での処理への要求が高まる
デジタル・ビジネス・ソリューションでは、データセンター以外でのデータ流通がますます求められている
- データセキュリティ、品質、ライフサイクル管理をエッジに押し上げる必要性
チームはエッジに常駐するデータワークロードとガバナンスの実践を含めることが重要であると考える
コネクテッドエンタープライズ生産システムの一部としてのエッジ
専門家がソフトウェアアクセラレーションの次の5つの動きとして予想していることの一部として、エッジは産業データを拡大、充実、公開し、アプリと分析で新しい価値の源泉を実現することになります。FactoryTalk®データ、エッジ、アナリティクスプラットフォームは、ビジネス成果を向上させるための包括的なエッジ・ツー・クラウド・プラットフォームです。新しいソリューションでは以下のことが可能になります。
エッジデバイスとフリートへの搭載と管理
- エッジデバイスをワンステップでプロビジョニング
- クラウドのどこからでもエッジデバイスの状態を見ることができる
- ドリルダウンで1台のデバイスに絞ることも、フリートとして管理することも可能
エッジアプリを公開
- 公開・非公開アプリのキュレーション(自社アプリやパートナアプリの持ち込み)
- コンテナ型/VM/Cluster対応アプリを導入
- 組織でアプリケーションを共有
優れたITとOTの融合を推進
- FactoryTalk® Edge Gateway™アプリで産業エッジデータに意味を持たせる - FactoryTalk Edge Managerに含まれる
- 異種データソースに接続し、OTコンテキストを追加し、柔軟なデータモデルを組み立て、上流のITアプリケーションにプッシュ
- より質の高いデータを活用し、産業の成果を促進
エッジ管理に必要なもの
まず、現在と将来の目標に基づいたエッジコンピューティング戦略を構築する必要があります。なぜエッジに進みたいのでしょうか? データを収集したいからでしょうか、それとも分析を実行したいからでしょうか? あるいは、その2つの組み合わせでしょうか?
戦略を決定し、ITとOTが連携してエッジ展開を最大限に成功させることで、エッジへの拡張を準備することができます。次に、すべてのデバイスを積極的に発見し、識別できるようにします。そして、エッジデバイスを導入したら、HMI、PLC、ドライブ、データベースから情報を引き出す必要があります。また、データゲートウェイだけでなく、エッジへのアプリの導入を管理し、デバイスのライフサイクルを管理する必要があります。エッジ管理を考える上で、攻撃対象領域を減らし、以前と同じようにセキュアなだけでなく、以前よりも安全性を高めることが重要です。そして、これを1つのツールで実現するのです。