安全なコラボレーションのための規格
協働型ロボットアプリケーションにより、安全柵が不要になり、貴重な床面積が確保され、事業者のコストが削減できる場合があります。しかし、その一方で、新たな安全上のリスクも生じます。
規格ANSI/RIA R15.06-2012、およびISO 10218は、工場で協働ロボットを使用するための4つの承認された方法を概説しています。
- 安全定格モニタ付き停止: 安全センサが人の存在を検知し、作業者が近づくとロボットを停止させる。
- ハンドガイド操作: 作業者がロボットを停止させ、作業セルに入ってから、作業内容に応じてロボットを手動で操作したり、位置を変えたりする。
- 速度および分離モニタ: 作業者とロボットが同じ空間で、あらかじめ設定された距離を保ちながら作業を行なう。
- パワーと力の制限: この方法では、ロボットが人間と接触した場合、ロボットが力やトルクを弱めて、人間が怪我をしないようにする。
ロボットが動作中に人間と接触する可能性がある場合、パワーと力の制限が新たな手法となります。ISO/TS 15066規格では、ある身体の部位がどれくらいの力や圧力に耐えられるかを特定するために、痛みへの耐性に関するある研究から得られた知見を概説しています。
人間との協働アプリケーションを目的とした産業用ロボットの安全要件は、ISO 10218の新版にも盛り込まれており、その結果、ISO/TS 15066規格は新版が発行され次第、廃止される予定です。
学習プロセス
協働型ロボットアプリケーションは、人間と機械の関わり方を変え、製造業におけるエキサイティングな未来を象徴しています。
しかし、これらのシステムを効果的に、そして最も重要なことは安全に導入するために、製造メーカと産業界の事業者は、リスクを分析するための新しい規格、ツール、アプローチを採用する必要があります。
さらに、人と機械のより緊密な連携が人材に受け入れられるようになれば、すべての関係者の安全を確保するために、システム設計者やインテグレータの側でより一層の注意が必要になります。
安全規格に準拠し、怪我のリスクを低減し、生産性を向上させる方法について、詳しくはこちらをご覧ください。
このブログは、ロックウェル・オートメーションのTÜV機能安全エキスパート(FSExp)、ビジネス開発マネージャであるジョージ・シュスターが共同執筆したものです。