最先端の産業では、さまざまな現場に多くの機器が配置されています。長い年月を経ると、どうしても不具合が生じてしまうものです。不具合を早期に発見し、予防策を講じるためには、その稼働状況を把握することが必要です。従来は、メンテナンスエンジニアを現場に頻繁に派遣して巡回していました。しかし、これには大きなコストがかかり、また、不具合の早期発見ができないことも多くありました。
産業用IoT (IIoT)の発展により、それらの現場機器をインターネットに接続することで、稼働状況を常に中央から監視できるようになりました。何が起きてもクラウドからリアルタイムで見ることができ、障害が発生すれば、エンジニアは問題の場所を特定するだけで、すぐに対処することができます。
より多くの機器がインターネットに接続され、大量のデータを生成するようになるにつれ、製造メーカやユーザは保守の効率化だけでなく、成長を促進するためのデータから得られる洞察力を求めています。これは、データの深掘り、より良い処理、分析を意味します。これらの要求はすべて、協調的な「クラウド+エッジ」のIIoTエコシステムにとって、より大きな技術的課題を生み出しています。
1. さまざまな機器からデータを収集する
産業現場に設置されたデバイスは、機械と環境の両方を監視しながら、現場のさまざまな場所からデータを取得し続けています。これらの機器は、シリアルポート、イーサネットポート、Bluetooth、Wi-Fiなど、さまざまなインターフェイスで構成されているため、すべての機器からデータを取得することは容易ではありません。現場のさまざまな機器が生み出す膨大なデータを収集・処理するゲートウェイは、大きな課題を抱えています。
機器によって通信プロトコルは異なります。同じカテゴリでも、選択肢がかなりある場合もあります。一方、製造メーカによっては、自社のプライベートプロトコルで通信している場合もあります。このため、従来のゲートウェイでは、一部のプロトコルにしか対応しておらず、ユーザにとって互換性に問題がありました。そのため、1つの拠点に数種類のゲートウェイが必要となり、設備投資もかさみ、ブランドスイッチのコストも高くなります。
現場の機器が多様化し、上記のような問題が深刻化する中、複数の産業用プロトコルを統合し、プライベートプロトコルにも対応させ、1台のオールインワンIIoTゲートウェイで異なるソースのデータを伝送することが必要になっています。