お客様へのご提案
タイヤ製造業者にとって、今は願ってもない時期です。センサ技術やモノのインターネット(IoT)の発展は、「インテリジェントタイヤ」の可能性を急速に拡大しています。その上、新しいタイヤ、特に交換用タイヤの世界的な需要は、今後数年間は安定的、または増加することが予想されています。
同時に、タイヤ製造メーカは生産能力を早急に増大し、納品サイクル全体を短縮し、コストを抑制し、増え続けるタイヤの種類に対応する必要に迫られています。
これらの要求に応えるため、タイヤメーカはスマートマニュファクチャリングやインダストリ4.0のような新たな構想、そしてコネクテッドエンタープライズを実現する情報処理機能を搭載した機械を採用しています。
この分野の機械装置メーカ(OEM)にとって、現在のビジネス環境は未曽有の成長機会であると同時に、非常に難しい局面でもあります。簡単に言えば、タイヤ機械装置メーカはかつてないほど、よりスマートでコンパクト、かつ効率的なマシンを、より早く開発する必要に迫られているのです。
現在の制御および情報技術のおかげで、タイヤメーカのネットワークインフラに簡単につながる一段とスマートな機器を容易に開発することができるようになり、驚異的ともいえるレベルの運用データを得ることが可能になりました。
例えば、IO-Link対応のスマートセンサは、継続的に生産ラインの情報フローを提供し、機械の状態のモニタや生産性向上を可能にします。また、FactoryTalk® Analyticsやその他のソフトウェアツールの強化された分析機能を活用することで、スマートマシンがもっとスマートになります。
On-Machine™制御アーキテクチャを選択してこれらの新技術に適用・統合することは、収益を上げるための最もコスト効率の良い方法の1つです。
どのタイヤ工場でも、フロアやキャビネットのスペースは非常に限られています。しかし、過酷な環境からコンポーネントを保護するため、機械装置メーカは一般的に、大型のキャビネットベースの制御システムを採用する傾向にあります。制御コンポーネントは、機械から離れた場所に設置された集中型のキャビネット、または分散型の中継ボックスに取付けられます。
これらのシステムには大きなスペースが必要となるだけでなく、設置に時間がかかり、トラブルシューティングを難しくする複雑な配線が付きものです。
On-Machineによるアプローチでは、制御とハードウェアがアプリケーションに近づく、またはマシンに搭載されます。この結果、マシンの設置面積が減少し、システムアーキテクチャが簡略化されるため、配線が最小限で済み、迅速な取付けとメンテナンスが可能になります。
On-Machine設計は、幅広い産業分野に機械装置を提供する機械装置メーカに適したアプローチとなりつつあります。産業用に強化された新しい制御機能を採用したOn-Machine設計は、要件の厳しいタイヤ工場の機器に適用できる有望な選択肢の1つです。
ロックウェル・オートメーションの、IP67定格の堅牢なArmor™ GuardLogix®コントローラと、ArmorStratix™ 5700産業用イーサネットスイッチを例に説明します。機械装置メーカの機械の設置やメンテナンスをより効率化するため、これらのコンポーネントには事前設定のクイック接続システムなどの時短機能が搭載されています。
機械装置メーカの機械の設置やメンテナンスをより効率化するため、これらのコンポーネントには事前設定のクイック接続システムなどの時短機能が搭載されています。押出しラインやプレス加硫からタイヤ形成機械に至るタイヤ製造工程全体に渡って、On-Machineアプローチを活用することで、機械装置メーカの機器の設計、開発、および納品が、より早く行なえるようになります。製造メーカに対しては、初期の設置からトラブルシューティングやコンポーネントの交換まで、On-Machineアーキテクチャは総所有コスト削減を実現する、よりシンプルなソリューションを提供します。
タイヤ製造機械装置メーカがOn-Machineソリューションを採用し、メンテナンスの最適化、配線時間の20%短縮、およびマシン設置面積の25%の削減に成功した事例をご覧ください。
そして、ロックウェル・オートメーションのタイヤ機械装置メーカ(OEM)および製造メーカ向けソリューションについて、詳細な説明をご覧ください。
共同執筆者: パオロ・ブッチ-
ロックウェル・オートメーション、タイヤ&ゴム製品産業 営業部長
公開 2017/01/23