お客様へのご提案
揚水は、どのようなタイプのポンプ制御が必要かを選択する際に、システムダイナミクスが大きな役割を果たすアプリケーションです。
ポンプアプリケーションの最終的な目的は液体を移動させることですが、有害なウォーターハンマーの量を減らしながら、ポンプシステム内の問題を素早く検出することも同様に重要です。
そこで、ポンプアプリケーションの制御をまとめるための最も効率的な方法は何でしょうか?
遠心ポンプを使用して水をソースから別のソースにポンプしながら、ウォーターハンマーを軽減する必要があるというのがシナリオです。
この場合、アプリケーションは、ポンプがスムーズに始動し、停止コマンドが必要になるまでポンプモータが全速で稼働することを必要とします。
これは、始動と停止の間に速度制御は不要であるため、ソフトスタータ対可変周波数ドライブ(VFD)にぴったりです。
始動部分には以下の3つの一般的な方法があります。
- ソフトスタート方法は、始動時に電流スパイクが望ましくないソフト電源アプリケーションで使用されます。これは、減電圧を使用してアプリケーションを始動する従来の方法です。
- ポンプ制御方法は、アプリケーションに必要な場合、ポンプの自然なSカーブに従って十分な制御とトルクを提供しながらエネルギーを節約するのに使用されます。この方法では、システムダイナミクスに応じて、ソフトスタート方法に比べて電流が高くなることがあります。
- 直線加速方法は、最もスムーズな始動を行なうのに使用されます。直線加速は、前の2つの始動方法のように負荷に依存しません。ほとんどのアプリケーションでは、この方法を実現するのに外付けのタコジェネレータが必要です。
ポンプアプリケーションの共通の停止方法は同じように簡単です。
- 停止時に減電圧を行なうソフトストップでは、減速停止時間が惰走停止時間よりも長くなります。
- ポンプの停止は、ポンプの始動と同様に、停止時にシステムダイナミクスに従います。
- 最後に、負荷に依存しない、スムーズかつ制御されたポンプアプリケーションの停止を行なう直線減速があります。
以下に、3つの方法で停止した場合のポンプ負荷のトルクと速度を示します。モータトルクの制御によって、ウォーターハンマーを制御できます。
これで始動と停止が機能し、ウォーターハンマーが制御されたため、ポンプアプリケーション診断のその他の側面を検証できるようになります。
例えば、ポンプキャビテーション、注水口/排水口の詰まり、流量の減少などはどうでしょうか?
スタンドアロンのポンプキャビテーション検出デバイスには、電流だけを使用して問題を検出するものもあります。
この方式で問題なのは、下の図の150HPモータの曲線で示されるように、電流がモータ上で直線でないことです。この方式の使用だけでは、全体を語ることにはなりません。
モータに軽い負荷がかかっている場合、電流だけでうまくポンプの問題を検出できるでしょうか? できません。
力率、実電力、電流などの電力測定値が一体となって、システムの動作を示すことができます。
力率と実電力はどちらもゼロ値になりますが、モータ電流はゼロ値になりません。
無負荷の場合でも、常にモータ磁化電流が存在します。
力率、実電力、電流の組み合わせを使用すれば、ポンプに問題が発生しているかどうかを簡単に示すことができます。
例えば、実電力が低下している場合、ポンプキャビテーションが発生しているか、ポンプの注水口が詰まっている可能性があり、ポンプの空運転につながる恐れがあります。
実電力が上昇していると、ベアリング不良または排水管の破損などの過負荷状態が発生している可能性があります。
ポンプアプリケーションをモニタするもう1つの方法は、流量計の使用です。
通常、このデバイスは、制御プログラムでモニタされるPLCラック内のアナログカードにフィードバックされます。
問題は、ポンプアプリケーションの制御とモニタのためのさまざまな方法をまとめて、デバイスの数を減らすための良い方法があるか、ということです。
以下を行なうことのできる完璧なフル機能のスマート・モータ・コントローラのような1つのデバイスで、ポンプアプリケーションをまとめます。
- センサレスな直線加速/減速を含む始動および停止時にウォーターハンマーを軽減し、外付けのタコジェネレータを不要にする。
- 電力モニタ機能を備えている。
- プログラム可能なアラームおよびフォルトを提供する。
- 流量計に接続できるアナログ入力/出力を拡張可能。
- 通信を拡張する。
Allen-BradleyのSMCTM-50ソフトスタータについて、詳しくご紹介します。
公開 2017/07/03