産業プロセスや機械における安全は、個人の安全、適切な基準や法律の遵守、サプライチェーンやブランドの評判に対するリスクの確保に役立つ、常に重要な課題となっています。
2013年1月から2013年11月までのスペインのデータによると、産業界では合計77.719件の事故が登録され、2012年から6.9%減少し、そのうち81件は死亡事故であったことが示されています。
これまで、機械安全は、安全が向上すれば生産性が低下するという、生産性と負の相関を持つ概念でした。しかし、新しい安全技術や規格によって、より安全な機械と生産性の向上が両立できるようになり、この傾向は変わりつつあります。もはや安全性は、生産にとって欠点ではありません。
機械のオペレータが、安全を味方ではなく、敵と考えるのはおかしなことです。
そして、制御産業ネットワーク内の統合安全性の革命は、安全の展望を変えつつあります。EtherNet/IP with CIP Safetyは、安全I/Oを備えたモジュールを制御ネットワークに統合し、I/O、サーボモータ、周波数コンバータ、安全装置が同じ物理メディアを共有することを可能にします。
安全装置とそのプログラミングロジック、ケーブルは、最近まで機械制御の他の部分から独立していました。現在では、新しい技術によって、制御と安全が同じ物理メディアに収束し、安全ソリューションの設計、開発、提供の複雑さが軽減され時間が短縮されています。
標準的なデジタルI/Oを配線する同じヘッダーに、安全モジュールも挿入することができ、より安価で柔軟な機械の安全ソリューションを提供することができます。さらに、制御シーケンスプログラミングと安全に単一のソフトウェア開発環境を使用することで、設備の統合と保守を簡素化することができます(例えば、利用可能な45個の非常押しボタンのうちどれが故障しているかの検出など)。
また、サーボドライブや周波数コンバータに安全トルクオフ機能が搭載されるなど、インテリジェントな安全性が向上していることも、統合安全のメリットを示す傾向となっています。機械や工程がモーションシステムに基づくことが多くなった現在、これらの機器にインテリジェントな安全性を持たせることは、より安全で高い生産能力を持つ機械の実現に役立つのです。
このようにEtherNet/IPなどの制御ネットワークに安全を統合することは、安全I/Oを多く持つ大規模な設備だけに限ったことではありません。従来からセーフティリレーや安全独立型PLCを使用していた他の小規模な機械も、その高性能化と低価格化により、徐々にこれらのソリューションを統合していくことになるでしょう。
公開 2014/08/19