- 安定した充填量を維持
- 製品廃棄の削減
- 変化する消費者の嗜好と包装の好みに対応する
- 新たな販売・収益機会の創出
- 人工知能(AI)対応制御により、設定範囲外の容量を検出して自動修正する新しい容積式缶充填・シーミングシステム
- 予期せぬ操作や怪我を防ぐ統合安全制御
- ロックウェル・オートメーションのMicro850®プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、Compact GuardLogix® 5380コントローラ、Compact I/O™モジュール、およびPanelView™ 5000グラフィックターミナル含むHMIテクノロジを搭載したシステム
- スループットの向上
- 運転速度の向上
- 設定値の1/2以内の充填精度の向上
- さまざまな飲料の複数の缶サイズに対応できる柔軟性の向上
- 手作業を削減
- オペレータ保護の向上
課題
ビールが世界で最も広く飲まれているアルコール飲料であることに変わりはありませんが、アルコール飲料とノンアルコール飲料の選択肢が増えたため、市場で占める割合は低下しています。その一方で、多くの企業と同様、大小のビールメーカはインフレと供給の問題に直面しています。
消費者の嗜好の変化やパッケージングの嗜好の変化に対応しながら、新たな販売・収益機会を生み出すなど、醸造所がこうした問題に対処するためには、柔軟性、精度、製品の無駄の排除が不可欠です。このようなニーズに対応するため、テクニブレンド社(TechniBlend™)は、新しい容積式缶充填シーミングシステムであるProFill Vシリーズを発売しました。ウィスコンシン州を拠点とするこの機械装置メーカ(OEM)は、飲料や醸造部門を含むいくつかの業界でリーダとして認められています。
ソリューション
人工知能(AI)が正確な生産と無駄の排除を実現
テクニブレンド社の新システムにより、醸造所は正確で安定した充填量を達成しながら、1分間に100缶から600缶の充填速度で生産を加速することができます。ProFill Vは、機械式充填機と比較して充填精度を3倍に向上させ、醸造所は設定値の1/2以内の容量を維持することができます。
テクニブレンド社の充填システムマネージャであるジョン・ブライデンバック氏は次のように述べています。「より厳密な容量制御と精度の向上により、製品の無駄を削減できました。より多くの製品が缶に入り、排水される量が減ります。システムに組み込まれた人工知能(AI)技術は、エラー修正アルゴリズムが各充填バルブの性能を監視し最適化することで、設定範囲外の容量を検出し、自動修正します。」
このような精度と無駄の削減は、他の醸造所や飲料メーカの製品を充填・包装するコ・パッキング契約を追求する醸造所が増加する中で、特に重要となります。
ロックウェル・オートメーションのテクノロジは「システムの頭脳」
ロックウェル・オートメーションのPartnerNetwork™のOEMメンバーであるテクニブレンド社は、ロックウェル・オートメーションの数々の技術を駆使してProFill Vシステムを開発しました。
ブライデンバック氏は次のように述べています。「私たちは、その使いやすさと豊富な機能からロックウェル・オートメーションを選んでいます。非常に強力なパートナです。私たちの顧客の多くは、すでにロックウェル・オートメーションのコンポーネントを搭載した機器を使っているので、私たちの機械にロックウェル・オートメーションを使うことで、簡単に組み合わせることができ、加工ライン全体で他の機器とやりとりをできます。」
ProFill Vシリーズは、ロックウェル・オートメーションのMicro850®プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)を搭載しており、ブライデンバック氏は「システムの頭脳が、PLCにプログラムされたAIロジックで量を制御し、自動的に量を補正する」と説明しています。
ロックウェル・オートメーションのCompact GuardLogix® 5380コントローラとCompact I/O™モジュールでは、安全性も重要な要素です。テクニブレンド社は、ProFill Vを統合安全制御のテストベッドとして使用し、他の製品にどのように拡張できるかを計画しています。
ブライデンバック氏は次のように述べています。「私たちは常に飲料充填装置を見直し、包装ラインのオペレータにより安全なソリューションを提供できるよう努力しています。ProFill Vには専用の安全ロジックとインターロックが搭載されており、予期せぬ操作や怪我を防ぐために全面的に導入しました。これは当社が開発した中で最も安全な機械の1つです。」
地元の醸造所が最初に導入
ウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とする地元のクラフトビール醸造所は、ProFill Vシステムを使用した最初のお客様です。この醸造所は、ビール、炭酸飲料、缶入り飲料水を製造し、中西部の数州で販売しています。
ブライデンバック氏は次のように説明します。「この醸造所は生産量を増やしたいと考えていましたが、古い充填機を使っていて、稼働が少し遅かったため、より先進的なシステムへのアップグレードを検討していました。彼らはまた、コ・パッキング市場に参入しており、新しい充填機を使ってより多くの収入を得る機会を得ています。この醸造所が最初のお客様として最適なのは、製品の種類が豊富なため、システムの柔軟性と多用途性を実証できるからです。」
ProFill Vは、複数のサイズの缶にさまざまな飲料や液体を充填できるように設計されています。オペレータはPanelView™ 5000グラフィックターミナルを含むロックウェル・オートメーションの直感的なHMIテクノロジを使用して、レシピベースの切換えを素早く簡単に行なうことができます。
結果
スループットの向上、手作業の減少
テクニブレンド社は、ProFill Vの最初の設置に、意図的に地元のお客様をターゲットにしました。その理由は、サービス専門家が現場に常駐し、立上げ中および立上げ後に広範なトレーニングとサポートを提供できるようにするためです。
ブライデンバック氏は次のように述べています。「双方にとって、これは勉強の機会でした。セットアップは非常にスムーズでした。醸造所では、製品の稼動状況に応じてスピードと量のポイントを設定し、スタートボタンを押すだけです。また、システムのAIにより、醸造所にとってはかなり手間が省けたので、包装ラインの人員はパックアウトに集中することができ、より多くの製品を出荷できるようになりました。」
この醸造所は2023年春にProFill Vを導入して以来、運転速度を上げ、より安定した充填量を記録し、スループットを向上させることができました。
自動化と使いやすさの向上
醸造所の自動化の「次のラウンド」を見据えて、テクニブレンド社は缶の高さに焦点を当てる予定です。現在、醸造所はProFill Vを12オンス缶と16オンス缶に使用していますが、将来的には19.2オンス缶の追加を検討しています。しかし、缶の高さを調整するのは依然として手作業で、オペレータがフィラーボルトを上げて缶が収まるようにしています。
ブライデンバック氏は次のように説明します。「私たちは、HMIに高さを入力すれば、機械がそのポイントまで必要な高さを上げてくれるような、より自動化されたプロセスを実現するために、いくつかの装置とプログラミングロジックを開発しています。そうすることで、作業員の手を煩わせることがなくなり、調整も簡単になります。」
公開 2023/10/13