監査で省エネルギーの可能性を見出す
CaseiZ社の開発ディレクターであるルー・ヨーク氏は次のように述べています。「私たちのビジネスの中心はアップグレードです。30年以上前のコンプレッサを発見したこともあります。」
現在の性能と効率化の可能性を評価するため、お客様との関わりは通常、省エネルギーの診断から始まります。
CaseiZ社のオペレーションマネージャであるアレン・キング・ジュニア氏は次のように述べています。「通常、1週間ほどかけて施設にデータロガーを設置し、ベースラインを決定して非効率な部分を発見します。そして、エネルギー削減に焦点を当てたソリューションを提案します。」
一般的に25%から50%のエネルギー削減の可能性が発見され、そのほとんどはオートメーションプラットフォームの更新とシステム統合に起因しています。以下はその一例です。
「基本的なレベルでは、各コンプレッサは個別に販売され、ユーティリティルームに設置され、それ自体で動作するように設計されています。そのため、全体的なオートメーションシステムの一部になっていないコンプレッサをよく見かけます。彼らは単にローカル制御を実行し、自分自身のことをやっているのです」と、サリバン氏は説明します。
CaseiZ社はロックウェル・オートメーションのプラットフォームを利用して、旧式のシステムを最新化し統合しています。アプリケーションには、Allen‑Bradley®のCompactLogix™またはControlLogix®コントローラおよびFactoryTalk® View HMIが含まれ、EtherNet/IP™ネットワークに統合されています。
静的なレポートからリアルタイムの可視化へ
CaseiZ社では、付加価値サービスとして、省エネ目標に対するシステムパフォーマンスを追跡するための月次エネルギーレポートをお客様に提供していました。このレポートは静的なもので、作成に手間がかかるものでした。
「ローカル・コントロール・パネルにリモートアクセスし、1ヶ月分のシステムデータを採取するのです。そして、手動でレポートを作成するのです」と、キング氏は語ります。
月次のスナップショットは、期待されるパフォーマンスからの逸脱を特定するのに役立ちました。しかし、その原因を突き止めるには、さらなる調査が必要でした。
「私たちは、オペレーションを継続的に可視化することができませんでした。誰かがシステムにログインして、非効率の原因を探さなくてはなりませんでした」と、サリバン氏は語ります。
応答時間と問題解決を改善するために、CaseiZ社はThingWorx IIoTプラットフォームをベースとしたモニタシステムであるAirView Cloudを開発しました。FactoryTalk® InnovationSuite and powered by PTCの一部であるThingWorxは、異種のデバイス、アプリケーション、データストリームを接続し、産業オペレーションデータへのセキュアなアクセスを可能にします。
ThingWorxのツールを使って、CaseiZ社とそのお客様は、個々の機械の稼働パターンと利用率をリアルタイムで確認することができます。また、コンプレッサがオフラインになったり、KPIがあるスレッショルド(閾値)を下回ったりといった重要な問題に対するアラートも受取ることができます。
キング氏は次のように述べています。「これらのシステムは、非常にダイナミックなものです。コンプレッサが故障したり、お客様が予期せぬ調整をしたりすると、瞬時に効率の低下を確認し、対処することができるのです。」
「そして、データの収集やレポートの作成に費やしていた時間を、問題への対応に費やすことができるようになりました」と、ヨーク氏は付け加えました。
最大限の効率性を維持する
CaseiZ社は、AirView Cloudソリューションを自動車工場で初めて適用しました。そして、1年足らずの間に、同社は10社以上の多様な企業にこのソリューションを拡大しました。