お客様へのご提案
課題
- ユーロファルテック社は、2019年2月の新しいシリアライゼーション規制に備えるために、新しいシリアルライゼーションソリューションを導入する必要がありました。
ソリューション
- Allen-BradleyのControlLogixプログラマブル・オートメーション・コントローラ
- 6台のAllen-BradleyのKinetix 5500サーボドライブ
- Allen-BradleyのVersaView HMI
- FactoryTalk View Site edition (SE)
- PharmaSuite MESシリアライゼーションモジュール
結果
- 時間通りにそしてスケジュール通りにスタートアップ
- 法律に対応
- 立上げと保守が簡単
- PACアーキテクチャに基づくソリューションは生産ラインの稼動に求められる堅牢さを提供
- スケーラブルなシステムは集約に対応
ユーロファルテック社(Europhartec)は数年間、その生産をより機動的にするために、そして将来の要求や法律に準拠するために継続的な投資方針を実施してきました。そのため、2019年2月の新しいシリアライゼーション規制に備えるために、その投資の40%以上をその医薬品包装ラインでのシリアライゼーションソリューションの実装にあてました。これは、2000万ユーロの売上高を持つ中小企業にとって大きな投資です。
フランスのオーヴェルニュ地方で20年前に設立された同社は、世界中の医薬品および獣医検査室向けの医薬品および栄養補助食品を開発および製造しています。生産から完成品の出荷まで、プロジェクトを完全にサポートします。これらの活動はすべて2つの施設に広がっており、総面積は10,000m²を超えています。毎年、4億個のタブレットが製造され、3,000万個を超えるケースと瓶が包装されています。
ユーロファルテック社は、壊れやすい商品やニッチな商品など、特定のニーズを満たすために中小のバッチサイズを生産する能力を通じて、差別化を図っています。また、簡単に単位分配できるようにカット済みのブリスターパックを設計するための、医療センター向けの薬の生産の専門知識も持っています。
シリアライゼーションと改ざん防止は、年間1000万から1200万のボックス、つまりユーロファルテック社の70%の活動を占め、 すべてヨーロッパ市場向けです。このプロジェクトでは、ユーロファルテック社は、オートメーション情報ソリューションの大手サプライヤであるロックウェル・オートメーションとシリアライゼーションマシンを専門とするH2Mテクノロジーズ社に目を向けました。
課題
このプロジェクトの対象となる5つの生産ラインは、それぞれ医薬品と栄養補助食品の両方を製造しています。製造指図の性質と量はさまざまです。シリアライゼーションと改ざん防止システムが適用される医薬品のバッチの製造に続いて、1つの操作のみが適用されるバッチの製造が行なわれる場合もあれば、どちらも適用されない場合もあります。そのため、ソリューションは互いの要求に適応する必要がありました。
現在、マーキングは従来のインクジェットプリンタで行なわれており、次に時代遅れのカメラによって読取られて検証されています。このシステムは、一部のボックスにマークがつけられていないため、生産ライン向けの最適化には不完全です。これによってリジェクトが引き起こされ、余計なコストが発生することになります。最終的に、この仕様は生産性をあげるために生産ラインの故障率の減少を課すものです。 新しいシリアライゼーションソリューションは、マーキング率の目標を100%としてこのマーキングの問題を軽減します。
プロジェクトの成功は、シリアル番号交換の円滑な運営にも左右されます。その優れた実施のためには、ユーロファルテック社のコンピュータネットワークと そのお客様のネットワークとの間に申し分のないインターフェイスを必要とします。 したがって、ソリューションはデータの完全性を保証しなければなりません。
ソリューション
ユーロファルテック社は、製薬包装ライン、シリアライゼーション、集約、および改ざん防止の印刷機能のためのトラック&トレースソリューション用のさまざまな機械を提供するためにロックウェル・オートメーションと専門企業である H2Mテクノロジーズ社にアドバイスとサポートを受けました。現在2台の水平コンベアを備えている新しい生産ライン構成に加えて、OCR機能を備えた新しいカメラが採用されたため、リジェクトを大幅に削減でき、さらにはなくすことができました。
ロックウェル・オートメーションは、実装時間を大幅に短縮する、構成可能で事前検証済みの基本ソリューションを提案しました。 シリアライゼーションソリューションは、FactoryTalk® View Site Editon (SE)を実行するクライアント・サーバ・アーキテクチャを使用するPharmaSuite® MESプラットフォームに基づいています。製品管理クライアント(PMC)は、PharmaSuite MESのモジュールとして設計され、オペレータインターフェイス画面として機能します。 ティア1システムから設計・開発された他のソリューションとは異なり、ロックウェル・オートメーションのシリアライゼーションソリューションはティア3固有のモジュールとして設計されています。そのため、ラインコントローラや下位層のマシンと同様に、他のERPやMESスイートとインターフェイスすることができます。
自動化の観点から、プロジェクトではAllen-Bradley®のControlLogix®プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)を採用しています。これは、格納する必要がある大量のシリアルライゼーションデータのために指定されている強力なプロセッサです。シリアルライゼーションサーバに障害が発生した場合、PACは事前にダウンロードされたデータを使用して自律的に実行できます。また、完全なバッチダウンロードが必要ない場合にもAllen-BradleyのCompactLogix™ PACを使用できます。Logixシリーズはスケーラビリティが高いため、コントローラを変更するのに必要な作業はほとんどありません。
視覚化とオペレータとの対話はAllen-BradleyのVersaView®産業用コンピュータで行なわれます。通常、FactoryTalk ViewはHMIを搭載したコンピュータを必要としませんが、 この場合は、画面上にPharmaSuiteクライアントの一部を実行する必要があるためにより多くの機能を必要としました。PLCとモーションソリューションは、このインターフェイスからも制御することができます。
製品の動きと方向性を考慮して、シリアルライゼーションソリューションは複数のAllen-BradleyのKinetix®サーボドライブを採用しています。これらは、上下のベルトの回転、上のベルトの垂直位置(さまざまなボックスサイズに対応するため)、および2軸プリンタヘッドの両方を制御するために使用されます。サーボによる精度は、印刷と改ざん防止ソリューションのアプリケーションの同期をとるために重要です。この精度は、HMIを使用する簡単な再プログラミングまたはレシピ選択により、さまざまなボックスサイズに対応するために求められる柔軟性に結びついています。
ロックウェル・オートメーションのソリューションもスケーラブルであり、ユーロファルテック社のニーズに応じて適応できます。例えば、PMCで許可された一元管理されているシリアル番号の管理と改ざん防止を、集約のために拡張できます。企業のERPシステムによって提供されたランダムなシリアル番号は、PMCモジュールが処理するMESを介して作業現場に送信されます。また、PMCはメインレシピと梱包順もサポートしています。
また、ユーロファルテック社はロックウェル・オートメーションの予知保全ソリューションを選択しました。これは、3×8時間のシフトで稼働し、ときには週7日稼動するジャストインタイムベースで生産を実施するグループにとって大きな進歩であり、障害を減らす、さらには解消するためにも使用されます。
より堅牢な内部と外部通信を提供するこの新しいアーキテクチャにより、ユーロファルテック社はロックウェル・オートメーションのコネクテッドエンタープライズの分野、プラント(OT)と企業の基幹(IT)ネットワークを収束し、人、プロセス、および技術をセキュアに接続するアプローチを採用しました。今後のシリアルライゼーション規制に対応するだけではなく、Industry 4.0のアプローチ、およびこの場合はPharma 4.0のアプローチのすべての主要な側面をカバーしています。
結果
最新化する5つのラインのうち、最初のラインは2018年3月にアップグレードされ、最終的なロールアウトは2018年11月に予定されていました。ユーロファルテック社は、シリアライゼーションと改ざん防止から始めましたが、新しいツールに慣れるまで集約を延期することを望みました。また、さまざまな医薬品を連続してバッチ処理するなど、さまざまな実際の条件下で設定を調整するために、その可能性をテストしたいと考えていました。
ユーロファルテック社は、2018年6月までに現在と将来の規制のすべての要件を満たすように準備を整えます。それによって、競争上および商業上の大きな利点が得られ、パートナのお客様とのシリアライゼーション情報交換が改善されます。その保守チームは、正面ラベル貼付けを含むモジュールの設計をすでに高く評価しています。また、製造ライン/プロセスラインの切換えが以前よりも簡単になったため、ラインの俊敏性も高まります。
公開 2017/02/10