マーカス・ベーレンス氏
マネージングディレクター、HDG
マーカス・ベーレンス氏は、HDGのマネージングディレクターです。ドイツに本社を置くこの機械装置メーカ(OEM)は、包装業界向けの機械を製造する企業で構成されるThe Packaging Groupの一員です。HDGは、食品、ペットフード、パーソナルケア、製薬、化学の各市場で、袋の充填・密封に使用される横型製袋・充填・シール(HFFS)システムを専門としています。HDGは、ロックウェル・オートメーションのPartnerNetworkのゴールドレベルのOEMメンバーです。
サステナビリティのための機械の再エンジニアリング
包装業界では、消費者の要求に応え、より高い環境基準を達成するために、大企業が意欲的な目標を掲げているため、サステナビリティ(持続可能性)は必須条件となっています。HDGは、このような取り組みを支援するため、天然素材の使用、資源の最小化、電力の削減、エネルギー消費の監視を支援する機械の再設計を進めています。
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マーカス氏は次のように述べています。「従来のプラスチック製のパッケージからの脱却が求められています。従来のラミネートフィルムは、酸素や湿気から製品を守るために最大7層構造になっていますが、ほとんどリサイクルできません。製造メーカ各社は、リサイクルしやすいモノ素材へのシフトを模索しています。」
モノフィルム(単分子層)は、これまで何十年も製造メーカが使ってきた素材とは加工に対する反応が異なります。これらの新しい素材は、温度に対してより敏感で、熱に対して異なる反応を示します。
マーカス氏は次のように説明します。「素材の挙動は、特に難しいものです。自動化の観点から、私たちは機械を改良し、より多くの制御装置やセンサを搭載して、製袋に加えられる熱をより適切に制御しなければなりません。また、品質要求を達成するためのアルゴリズムも変更しなければなりません。」
お客様の目標がイノベーションの原動力
HDGは、ヨーロッパの大手メーカが100%リサイクル可能な紙ベースの袋に移行する際に、モノマテリアルを使用するためのシステムを開発しています。
マーカス氏は次のように述べています。「彼らはトレンドに先駆け、今後数年で販売するすべてのプラスチック製の包装を置き換えるための導入を進めています。彼らの情熱が、私たちのモチベーションを高め、まだ世の中にないものを開発する原動力になっています。」
また、HDGはロックウェル・オートメーションと協力し、エネルギー・モニタ・ソリューションを備えたHFFSシステムの開発を進めています。このソリューションにより、お客様はデータにアクセスして可視化し、エネルギー使用量を削減することができます。
マーカス氏は次のように説明します。「ラインの消費電力が分かれば、現在のデータを前回や未来のバッチと比較することができます。エネルギー消費量が異なる場合は、なぜそうなのかを考えて原因を追究できます。データは役に立ちますし、透明性を確保することで、必要な機器のメンテナンスや材料の品質の逸脱を警告することができます。」
すでにHDGでは、袋の封入に使用する熱の温度を下げ、エネルギーコストを20%削減する可能性を見出しています。
チームワークを重視したアプローチ
サステナブルな包装や素材を追求するためには、チームワークが不可欠だとマーカス氏は言います。
「包装のサプライヤ、機械サプライヤ、そしてお客様を巻き込むことが重要です。この三角形が、プロジェクトを完璧に機能させるための強い絆となるのです。常に微調整が必要ですが、みんなが協力すれば、多くの時間を節約することができます」と、彼は語りました。
Published May 30, 2023