お客様へのご提案
課題
- 最新のデジタル技術を駆使して、ブラウンフィールド工場をスマートなコネクテッドプラントに変えることで、リアルタイムの意思決定、予知保全、全体的な設備効率の向上を可能にし、リアクティブな働き方からプロアクティブな働き方への転換を図ります。
ソリューション
デジタルトランスフォーメーション
- FactoryTalk® InnovationSuiteは、データに基づいた意思決定のためのIT/OT統合を実施
- ThingWorx APMは、産業オペレーションデータの収集、集約、および安全なアクセスを可能にする単一のソースを提供
- FactoryTalk Analytics™ DataViewは、ライン、作業現場、工場、企業のパフォーマンスに対する可視性を向上
結果
IT/OT統合
- 300台以上の機械がIIoTプラットフォームに接続され、リアルタイムに接続された。
スマートなコネクテッドファクトリ
- ライン、製造現場、工場、企業のパフォーマンスをリアルタイムに把握できるようになった。
- NEIは、コネクテッドプラント、統合されたサプライチェーン、そしてデジタルワークプレイス、製品、サービスから得られる利益を享受することができる。
ナショナル・エンジニアリング・インダストリーズ・リミテッド(NEI)は、インドを代表するベアリングの製造・販売会社で、優れた品質と納期で知られています。信頼性と柔軟なエンジニアリングソリューションの象徴であるNBCベアリングは、ナショナル・エンジニアリング・インダストリーズ社のブランドです。
1946年に設立された同社は、19種類のサイズで3万個のベアリングを製造していました。現在では、年間2億個以上のベアリングを製造し、2300種類以上のバリエーションを揃え、5大陸30カ国以上のお客様にサービスを提供するまでに成長しました。
NEIは、ジャイプール、ニューアイ(ラジャスタン州)、マネサール(ハリヤナ州)、ヴァドダラ(グジャラート州)の5つの製造工場を持ち、グローバルな製造技術、世界クラスの精密工学プロセス技術、国内有数の研究開発センターを備えています。
NEIは、3Dプリント、コボットやロボット、自動化ライン、ロボティック・プロセス・オートメーション、複合現実(MR)技術などの次世代技術をすでに保有しており、お客様に柔軟なソリューションを提供しています。
自動車、鉄道、その他の産業分野でサービスを提供しているNBCベアリングは、世界中のお客様から信頼されているブランドであり、高品質の製品に対する需要は増加し続け、世界のあらゆる場所に届いています。
パートナにより良いサービスを提供するために常に先を見据える未来志向の組織として、NEIはデジタルトランスフォーメーションの導入に着手し、素晴らしい成果を収めました。NEIは、来年中にすべての製造拠点でスマートファクトリ化を実現するというビジョンを掲げ、複数のロールアウトを行ない、ジャイプールにある工場の1つで希望通りの状態を実現しました。
デジタルトランスフォーメーションの推進要因
NEIがエンド・ツー・エンドのデジタルトランスフォーメーションに着手したのは、純粋な数字だけではなく、次世代のために働きがいのある職場であり続けたいという熱意と、選ばれる雇用主になりたいという熱意があったからです。
デジタル化以前は、製造プロセスやパフォーマンスのデータは、紙に手書きで記録され、データ入力オペレータがアプリケーションに記録し、24時間遅れで分析していました。つまり、ラインの管理者や監督者は、昨日のデータに基づいてその日の判断を下さなければならないという課題がありました。NEIは、インダストリ4.0の技術がこの問題を解決すると確信していました。リアルタイムのデータがあれば、ラインの監督者や管理者は、品質、メンテナンス、原材料などの問題点に即座に対処し、潜在的な生産性の低下を防ぐことができるため、必要性を感じていました。
コネクテッド・スマート・ファクトリでは、総合設備効率(OEE)を2〜3%向上させることを目標としました。これは、オペレーションのベースラインがすでに業界標準よりも高かったことを考えると、かなりの無理がありました。さらに、NEIのデジタルトランスフォーメーション戦略は、データに基づいた意思決定を行なうことで、競合他社に先んじて行動することを可能にし、現場での行動のほとんどがリアクティブ(受け身)なものからプロアクティブな(先回りした)ものへと考え方を変えることを目的としていました。
デジタルパフォーマンス管理の取り組み
NEIのビジョンは、ジャイプールのブラウンフィールド工場でコネクテッド・スマート・ファクトリを確立し、その後、すべての製造拠点で、現在および将来の製造およびビジネスの要件を満たすことでした。
NEIの社長兼CEOであるロヒット・サブー氏は、需要から発送までを1つのコネクテッドエンタープライズとし、NEIのランドスケープに存在するさまざまなシステム間で情報をシームレスに流すことを構想しています。NEIのハイレベルな戦略は、組織の目標を達成し、ビジネスの推進力を向上させるためのデジタルビジョンを構築することでした。
情報技術/運用技術(IT/OT)の境界を越えて制御と情報を統合することで、製造工程をリアルタイムに把握し、より意味のあるビジネス上の意思決定を行なうことができます。今回のデジタルパフォーマンス管理では、工場のスケジューリング、エネルギー管理システム、リソースの割当て、材料の可視化など、サプライチェーンからの情報を統合したコネクテッド・スマート・プラントの構築を目指しました。これをデジタルワークプレイス、製品、サービスが緻密にサポートすることで、従業員やビジネスパートナの体験をあらゆる段階で豊かなものにします。
NEIのチーフ・デジタル・オフィサーであるアシシュ・ランジャン氏は、次のように述べています。「全社的なデジタルプログラムを通じて、デジタル戦略のロードマップを作成し、デジタル施策を組織の戦略的優先事項に結びつけました。本格的な導入は、ジャイプールにあるボールベアリングの工場を対象に、8ヵ月かけて計画されました。前年に多くのスタートアップ企業やエコシステムのソリューションプロバイダと実験を重ねた結果、ここにたどり着くことができました。」
この取り組みでは、300台以上のCNC (数値演算制御装置)およびPLC (プログラマブル・ロジックコントローラ)をIIoT (産業用モノのインターネット)ネットワークに接続し、さまざまなメーカ、モデル、世代のコントローラを使用して、OPC UA (Open Platform Communications United Architecture)データレイヤを作成し、IoTプラットフォームを展開して、工場から企業まで、組織内のさまざまな人物が使用するレポートやダッシュボードでリアルタイムにデータを表示しました。
NEIは、デジタル化プロジェクトの信頼できる技術パートナとして、FactoryTalk InnovationSuite, powered by PTCとThingworx Asset Performance Management (APM)プラットフォームの柔軟性から、ロックウェル・オートメーションを選びました。
Thingworx APMは、アプリケーション開発・展開プラットフォームとして選ばれ、企業内の異なるデバイス、アプリケーション、データソースを接続します。このプラットフォームは、産業オペレーションデータを収集、集約し、安全にアクセスできる単一のソースを提供します。FactoryTalk Analytics DataViewは、NEIのビジネスレポート要件に選ばれました。これにより、ライン、作業場、工場、および企業のパフォーマンスに対する可視性が向上しました。
ロックウェル・オートメーションのインフォメーション・ソリューション・セールス・スペシャリストであるサムラート・ダッタは次のように述べています。「FactoryTalk InnovationSuiteは、NEIのデジタルトランスフォーメーションのビジョンをサポートするために、IoT、アナリティクス、拡張現実(AR)、エッジ機能を含む総合的な技術ポートフォリオを提供します。これらの技術は、デジタルパフォーマンス管理のイニシアチブの直接的な技術的機能のニーズに対応するために必要なモジュール性、柔軟性、使いやすさを提供すると同時に、同じプラットフォーム上で高度なアナリティクスのユースケースにまでソリューションを拡張できるように支援しました。」
ベアリングのスマート・コネクテッド・マニュファクチャリング
このプロジェクトは、ベアリング業界では最大級のデジタルトランスフォーメーションの導入でした。ブラウンフィールド工場で使用されていた300台以上の機械がIIoTプラットフォームに導入され、インダストリ4.0の基準に基づいてリアルタイムに接続されました。工場内でのデータ交換の互換性は、事前評価ではわずか16%だったのが、導入時には100%となりました。
アシシュ・ランジャン氏は、次のように述べています。「NEIとロックウェル・オートメーションは非常に密接な関係にあり、工場レベルでも企業レベルでもチームは密接に統合されています。定期的なコラボレーションにより、NEIはロックウェル・オートメーションを、ジャイプールでのデジタルマニュファクチャリングの変革や、将来的には他の拠点への導入においても信頼できるパートナと考えています。」
ジャイプール工場がコネクテッドプラントとなった今、そのメリットが実感できるようになりました。ユーザフレンドリーなダッシュボードでデータをリアルタイムに利用できるようになったことで、現場のオペレータの意識が変わってきました。監督者やオペレータは、オペレーションのパフォーマンスを確認し、材料やリソースの割当てに関する意思決定を下すことができます。機械からの健常性を知らせる信号は、事前に行動を起こすことで、予定外の故障を回避するのに役立ちます。
ロックウェル・オートメーション インディアのエンドユーザセールス部門責任者であるアルビンド・カクルーは次のように述べています。「NEIは、デジタルトランスフォーメーションの導入に乗り出しました。現代的で柔軟性がありスケーラブルな技術を使って優れた結果を達成したことを祝福します。」
ソリューションの性質上、ユーザはリアルタイムデータの威力を体験した後、さらなる要望を寄せており、ロックウェル・オートメーションのチームは体験の向上に努めています。これは、データの可視性からさらに多くの洞察が得られるように、しばらくの間続くでしょう。
NEIの製造部門の責任者であるサンジェイ・ビナイキャー氏は次のように述べています。「近いうちに、地理的に異なる場所にあるすべての工場を同じプラットフォームに統合し、企業全体のシステムをシームレスに統合したワン・エンタープライズ・ネットワークを構築する予定です。これにより、工場全体の可視化が可能になり、NEIの強みをいかした、工場と遠隔監視センターが連携した新しいオペレーションモデルへと移行することができます。」
Allen-Bradley, FactoryTalk, Rockwell Automation, およびRockwell Softwareは、Rockwell Automation, Inc.の商標です。
公開 2021/06/28