シームレスな統合
加工対象物の形状はCAD/CAMソフトウェア内で設計します。これを直接同化プログラムに入力すると、ハンドリング位置と裁断位置が算出されます。
「ロックウェル・オートメーションのDrives and Motion Acceleratorツールキットのおかげでシステムのモーションコンポーネントのプログラミングがとても簡単にできました」と、NHP社の機械装置メーカ(OEM)のアプリケーションエンジニアであるアナトリ・クラッセン氏は説明します。
ツールキットはモジュール式フォーマットとなっているため、コンポーネントの選択や図面作成からコードの書込みやHMI画面のレイアウト、立上げまで、作業が大幅に簡略化され、統合と立上げがシームレスに行なわれました。
また、Allen-Bradley PowerFlex® 753のおかげでCompactLogixコントローラへのプレミア統合が実現し裁断機の要件を満たすことができました。
「安全にワークセルに入るためには、指示に応じてブレードがすぐに停止する必要があったのですが、
Allen-Bradleyのドライブが使用されていたことで適切なブレーキレジスタ選びが簡単にできました」と、クラッセン氏は語ります。
これをサポートするため、NHP社はブレーキレジスタのキャビネットを設計しました。
また、電気部品へのアクセスは制限しながら製品を適切なIP定格に保ち空気圧に簡単にアクセスできるよう、クランプドア内部のフィンガーセーフエンクロージャのプロトタイプ製作もサポートしました。
「TPS社は過去にDrives and Motion Acceleratorツールキットを使われていましたので、当社のVSDとモーション製品には馴染みをお持ちでした。ですから当社は裁断システム統合の時間を最低限に抑えてCNCのソフトウェア開発にもっと時間をかけることができました」と、クラッセン氏は説明します。
プロジェクトで大きな課題となるのは、使う製品同士の通信と統合です。
このプロジェクトでは、5つの通信プロトコルを管理するというタスクがありました。それに対処するため、ロックウェル・オートメーションまたはEncompassパートナがそれ専用に設計したプロトコルコンバータが使用されました。
そのため、必要なデバイスをすべて統合し中央のCompactLogixコントローラと通信させるという作業が簡単にできました。
ソフトウェアと生産性ツールキットのおかげで上記のような価値が実現したわけですが、その価値をはっきり確認したTPS社はロックウェル・オートメーションのOEMプログラム開発者レベルに加入しました。ロックウェル・オートメーションのソフトウェアと能力開発ツールの活用を考えている企業にとり、OEMプログラム開発者レベルは理想的な第一歩です。
「OEMプログラムに加入いただくと、グローバルサポートやマーケティング機会、ソリューションおよびサービスなど加入企業様それぞれの事業目標に沿った利点が得られます。プログラムの目的は、エンドユーザの要件を満たす機械を低コストで設計、開発、納入いただくことです」と、ロックウェル・オートメーションのOEM営業部長であるマイケル・ヴラホスは語ります。