ジリアン・ホルクラフト氏はCanadian Mining Innovation Council (CMIC)のイノベーションマネージャです。このコンソーシアムは、エネルギー、水、廃棄物に焦点を当て、2027年までに鉱業界の環境フットプリントを50%削減することを目的に結成されました。
鉱業は世界のエネルギーの6%を消費し、その50%は材料をより小さな粒子に粉砕するために使用されます。しかし、最後に粉砕装置が進化してから20年以上が経過しています。しかし、CMICのメンバーは、「マイニングを見直す」ことに挑戦しています。
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お客様の声がイノベーションを生む
ジリアン氏は次のように述べています。「鉱業界は非常に保守的であることが知られています。私たちは、業界をひとつにして、一社では決して開発できないような破壊的な技術を共同開発しています。協議会のメンバーは、「技術の専門家と洞察力」を提供してくれます。彼らは、まったく新しく、異なるものを採用するために、市場が何を求めているかを教えてくれるのです。」
CMICを通じて、お客様の声が業界のイノベーションを牽引しています。
ジリアン氏は次のように述べています。「チームとして一緒に仕事をしているとき、イノベーションはスピード・オブ・トラストで起こります。現実の問題や、テクノロジを導入して実際に使うまでに何が必要なのかを話し合うのです。」
革命的な新しい粉砕技術
CMICでは、共役アンビルハンマーミル(CAHM)およびものロールプラットフォームの開発を含む、いくつかのエキサイティングなプロジェクトが進行中です。この2つの機械を組み合わせることで、現在の粉砕プロセスに比べ、エネルギー消費を65%削減できる可能性があります。また、この画期的な新技術により、二次粉砕機や設備、関連輸送が不要になるというメリットもあります。
ジリアン氏は次のように説明します。「従来の鋼球を研削材として使用しないので、鋼球の製造や輸送が不要になるのです。これは、スコープ3 (二酸化炭素排出量)大きな削減となります。エネルギー消費量の削減だけでなく、最終的にはフローシートを簡素化し、粉砕工程全体のコストを下げることができるのです。」
商品化のカギを握るデータ収集
特許取得済みのCAHMおよびモノロールプラットフォームでは、初期の機械試験で有望な結果が得られています。このプロジェクトでは、ControlLogix®プログラマブルコントローラ、PowerFlex®可変周波数ドライブ、PanelView™可視化ソフトウェア、およびデータ数収集用のFactoryTalk® Historianソフトウェアを含むロックウェル・オートメーションのテクノロジをいくつか採用しています。
ジリアン氏は次のように述べています。「効率よく岩石を砕けることを示すだけでなく、マシンがどのように機能しているかを示すデータを収集し、次世代マシンを開発できるようにする必要があります。ロックウェル・オートメーションの技術チームは、次の商用機を作るために必要なデータの取得をサポートしてくれています。」
CAHMおよびモノロールプラットフォームの商業化と鉱山実証サイトの特定を行なうため、CMICはReThink Milling Inc.を設立しました。2023年にCAHMのデモテストを設置・開始し、2024年にモノロールのサイトを確保したいとしています。
ReThink Milling (ロックウェル・オートメーションを含む十数社の業界をリードする企業がメンバー)が鉱業界のイノベーションを推進するために行っている活動については、こちらで詳しくご紹介しています。
公開 2023/05/30