メイン大学プロセス開発センター(PDC)は、製紙メーカがサステナブルな新製品を研究し、学生が業界のイノベーションに参加する機会を提供しています。
- 旧式のウェブ・ハンドリング・ドライブ・システムが、予定外のダウンタイムインシデントにつながった。
- 部品入手の制限により、生産復帰が遅れた。
- キャンセルされた技術サービスにより、PDCの製造業のお客様は1回につき最大2万ドルの損害を被っていた。
- マシンの信頼性の低さがPDCの操業と予算を脅かした。
- 業界との協力により、高度なオートメーションソリューションの選択と資金調達が可能になった。
- 学生のキャップストーンプロジェクトが、システム最新化の範囲を発展させた。
- ペーパー・ウェブ・ハンドリング協調ドライブ・システム・ソリューションは、稼働の信頼性とシステムの可視性を提供する。
- 2025年初頭を目標に設置・導入
- 重要インフラのアップグレードにより、信頼性、生産性、資産のサイバーセキュリティが向上する。
- PDCは機械の稼働率を最大化し、プロジェクトのリスクを最小化することができる。
- PDCは、製造メーカ、教授陣、学生にサービスを提供する一流の林産物研究施設として運営を継続することができる。
課題
メイン大学プロセス開発センター(PDC)は、製品やプロセスの革新のための試験施設へのアクセスを必要とするパルプおよび製紙メーカにとって、世界的に認知されたパートナです。森林繊維包装はプラスチックにかわるサステナブル(持続可能)な代替品であり、大手包装および製紙メーカの研究者は、PDCのパイロット抄紙機と技術サービスを定期的に利用しています。
PDCのお客様の多くは北米に拠点を置くが、サステナブルな包装を追求するヨーロッパや南米の企業もPDCを利用しています。また、PDCはメイン大学の教授陣による研究を支援し、メイン大学の学生を有給で実地学習に参加させています。
予定外のダウンタイムが増加
旧式のオートメーションシステムのメンテナンスはますます難しくなっており、35年が経過した後、パイロット抄紙機のウェブ・ハンドリング・ドライブ・システムの故障が増加していました。ダウンタイムの発生により、PDCのお客様は1回につき最高2万ドルの損害を被り、収入減はPDCの運営予算に影響を及ぼしていました。パイロット抄紙機の信頼性の低さは、紙パルプ産業研究の主要拠点としてのPDCの評判を脅かしていました。システムのクラッシュは、メイン大学の教授陣による研究や学生の学習にも支障をきたしました。
PDCディレクターのコリーン・ウォーカー博士は次のように述べています。「パイロット抄紙機は大学にとって生命線です。産業界は、新製品を試すために多くの時間と資金を費やしてここに来ています。クラッシュして再スタートできなかったため、彼らを家に帰さなければならなかったこともありました。機械を年中無休24時間体制で稼働させる必要はありませんが、稼働させる必要があるときには稼働させることがより重要なのです。」
UMaine Pulp & Paper Foundationは、メイン大学PDCとロックウェル・オートメーションの長年の顧客であり、同財団の法人会員であるパッケージング・コーポレーション・オブ・アメリカ(PCA)を支援しました。メイン大学PDCはロックウェル・オートメーションをソリューションプロバイダとして選定し、この重要な最新化に資金を提供しました。
ソリューション
PCAは、PDCのパイロット抄紙機の信頼性を向上し、稼働時間を最大化するためには、ロックウェル・オートメーションのペーパー・ウェブ・ハンドリング協調ドライブ・システム・ソリューションが最適であると推奨しました。エンジニアリングワークステーションにPremierSystems™ツールセットとEnhanced TrendPlusを組み込むことで、PDCのオペレータは、予測診断と分析機能を通じて、可視性と実用的なデータを強化することができます。
効率的で信頼性が高く、サステナブルなペーパー・ウェブ・ハンドリングのための設計
ロックウェル・オートメーションは、ニップの適切な閉鎖からロールプロファイルの正確な構築まで、複雑なペーパー・ウェブ・ハンドリングに対応するよう設計された協調ドライブ・システム・グローバルソ・リューション標準を使用しています。シームレスなパワーとプロセスの統合により、エンジニアリングと立上げの時間を短縮します。生産までに要する時間短縮とマシンの信頼性、継続的な進歩、長期的なサポートにより、ロックウェル・オートメーションのソリューションはPDCに最適でした。
ダウンタイムの最小化、データによる生産の最適化
PremierSystemsは、統一されたインターフェイスで抄紙機のオペレーションとメンテナンスの作業を簡素化します。高度な診断ツールはトラブルシューティングにかかる時間を短縮し、オペレータが追加サポートなしで稼働上の問題を解決できるようにします。データを活用することで、オペレータはより短時間で問題を解決し、より効率的に作業を行なうことができます。
また、PowerFlex® 755T ACドライブシリーズに組み込まれたロックウェル・オートメーションの予知診断は、重要なコンポーネントの寿命を可視化し、機器の故障を検出することで、早期に警告を発します。このような高度な診断により、予定外のダウンタイムを削減し、故障までの稼働に伴う過剰な修理費用を削減することができます。PremierSystemsには重要な文書やその他の技術サポートの基盤が組み込まれているため,オペレータは自信を持って適切な判断を下すことができます。
強化されたTrendPlusもまた、診断ソリューションの不可欠な一部です。iba America, LLCによる高速データ収集ソフトウェアは、5ミリ秒の速度でデータをキャプチャし、コントローラが見るすべてを分析可能なデータに変換します。ロックウェル・オートメーションは、このトレンディングパッケージをPremierSystemsツールセットに統合し、ドライブ・システム・ソリューションに特化した構成にすることで、付加価値を高めています。
学生が最新化計画を主導
メイン大学の工学部の学生は、PCAおよびロックウェル・オートメーションと協力して、システムアップグレードの作業範囲を作成しました。これは学生のキャップストーンプロジェクトとなり、プロジェクト提案書と実施計画に反映されました。
結果
2025年初頭に予定されている先進的なウェブ・ハンドリング・ドライブ・システムの導入により、PDCは再び顧客のために信頼できるパイロット抄紙機の性能を享受することになる。この林産物研究施設は、製造メーカ、教員、学生による技術革新を引き続き可能にします。
ロックウェル・オートメーションは、スタートアップや試運転を含め、ドライブシステムのアップグレードを全面的にサポートします。PCAと連携してメイン大学PDCをサポートできることを喜ばしく思うとともに、PDCがスマートマニュファクチャリングに移行できるよう支援できる機会に感謝しています。
この最新化により、メイン大学の学生は、製紙産業、サステナブルな包装、製造の仕組みに興味があろうとなかろうと、高度なオートメーションソリューションを見学し、トレーニングする機会を得ることができます。
ウォーカー博士は次のように述べています。「PDCの目的は、産業界に貢献することですが、森林繊維を使用したサステナブルなソリューションを開発している学校に、潜在的な学生に興味を持ってもらうことでもあります。学生たちは、本当に重要な問題を解決するキャリアを望んでいます。このアップグレードによって、私たちは常にそのような方向に進んでいくことができるのです。この最新化により、産業界のユーザにさらなる情報を提供し、メイン大学の学生に今日何が可能かを示すことができます。」
公開 2024/09/11