お客様へのご提案
課題
- 世界第2位のペレット製造工場で、すべてのシステム、機器、およびプロセスを自動化
ソリューション
- プロセスオブジェクトのライブラリ
- EtherNet/IPネットワーク
- Allen-BradleyのGuardLogix SIL 3セーフティコントローラ
- EtherNet/IPの分散型I/O
- オペレータステーション(OWS)、エンジニアリングステーション(EWS)
結果
- 6,000点を超えるI/Oを簡単に取付けて立上げ
- 設計、エンジニアリング、シミュレーションにおいて時間をセーブ
- リモート管理とメンテナンス
- オペレータのトレーニング時間を短縮
- 高い生産性と高いエネルギー効率
背景
プロデサ社はスペインのサラゴサに拠点を置くエンジニアリング企業で、固体バイオ燃料の生産と環境保護のための包括的なソリューションを提供することにより、革新的なプロセスでバイオ燃料生産技術を向上させます。プロデサ社は、社会および環境問題を解決し、生活の質を向上させるソリューションを提供するために、知識と技術に基づいた開発に取り組んでいます。 その主な活動は、ターンキー木材ペレットプラント、バイオマス乾燥機、およびバイオマス複合熱発電(CHP)プラントの設計、製造生産および供給です。プロデサ社は、エンジニアリング調達建設+運用管理(EPC + O&M)モデルを使用しています。
プロデサ社の施設責任者のイシュマエル・サンズ氏は次のように説明します。「私たちのクライアントは、私たちがプラントの完全な開発を請け負うことを望んでいます。まず、プロセスの最適な設備とソリューションを選択し、統合、構成、電気設備、自動化の開発、工場受入テスト(FAT)を行ない、最後にプラントの一般的な試運転を実施します 。このモデルを使用すると、お客様は何も心配する必要はありません。」
彼は「これがこの業界の差別化要因です。世界には私たちの仕事を引き受ける企業はほとんどありません」と、付け加えています。現在、その生産はすべて国際市場に輸出されています。このため、米国、フランス、ロシア、マレーシアに支店を開設し、現在ラトビア、イタリア、ベトナムでプロジェクトを展開しています。
課題
最近、プロデサ社は大きな課題に直面しました。米国の顧客は年間約50万トンのペレットを生産できるペレットプラントを建設したいと考えていました。これはこの種の設備の一般的なサイズの5倍です。サウスカロライナ州グリーンウッドにあるこのプロジェクトは、世界でも最大規模のプラントの1つになる予定です。
プラントは、ペレット製造プロセス全体をカバーしなければなりませんでした。それは、木の皮剥ぎ、チッピングおよび木材の再チッピングを含む原材料の前処理、貯蔵、洗浄および薬品注入、熱乾燥、粉砕、ペレット化、冷却およびふるい分け、そして、最終的に、世界中に輸出される製品の鉄道車両への積み込みから構成されています。
イシュマエル・サンズ氏は次のように述べています。「このプロジェクトのすべてのプロセスを実行するために必要な機器を実装するために、私たちはプロジェクトの特定の要件に基づいて最適なコンポーネントを選択する場所から世界的に認知されたサプライヤに呼びかけました。お客様が要求したプロセス結果を得るために、このすべての機器を順番通りに接続しました。当社が選択したサプライヤの1社は、ロックウェル・オートメーションでした。高い評価を受けている当社の顧客は、ロックウェル・オートメーションを米国市場および世界中で長年にわたりその地位を確立しており、その品質とそのソリューションの高い柔軟性を認識しています。」
ソリューション
ロックウェル・オートメーションはプロジェクトの規模を見て、最初にEtherNet/IP™ネットワークの導入など、最適なコンポーネントの選択においてプロデサ社を支援できる最も適切なアーキテクチャを評価しました。「ロックウェル・オートメーションは、当初からすべてのプロジェクト段階で私たちを導いてくれました。それによって、世界最大のペレット製造工場で稼動させるために必要なすべてのソリューションについて明確なビジョンを得ることができました」と、サンズ氏は思い出して語ります。プロデサ社は、共通のプラットフォームを使用してプラントの重要なプロセス領域を統合するソリューションである、Rockwell Automation®のPlantPAx®分散制御システムを統合することを選択しました。このようにして、単一のアーキテクチャを使用してプロセス、ディスクリート、パワー、情報、および安全をプラント全体で制御できるため、もはや異種の制御システムは必要なくなりました。その結果、プロセスの最適化が大幅に進み、総所有コスト(TCO)が削減されます。また、プラントのあらゆる部分からの高いスケーラビリティ、リアルタイムの情報の可用性、および堅牢な産業セキュリティコンセプトに基づくより安全な接続性を提供します。
サンズ氏は次のように述べています。「さらに、設計ツールおよび構成ガイドからのガイダンスに従って、オペレータステーション(OWS)、エンジニアリングステーション(EWS)、およびプロセスコントローラ間の接続は、実装が非常に簡単で使いやすく直感的でした。PlantPAxシステムは、変更されていないイーサネットを利用し、安全機能はコントローラに統合され、プラント全体に分散され、ケーブル配線が削減されます。」
このシステムは、「ロックウェル・オートメーションのプロセスオブジェクトのライブラリ」から入手できる事前定義されたブロックを使用しています。このブロックには、業界標準に準拠した直感的な設計で、プロセスアプリケーションに一般的に必要な膨大な制御モジュールが含まれています。事前定義された制御方法に従うライブラリによって、開発時間は大幅に短縮され、プラントの資産から最適なパフォーマンスを得るのに役立つ効率的な運用環境を提供しました。
プロジェクトアーキテクチャのもう1つの重要な側面は、Allen-BradleyのGuardlogix®セーフティコントローラとSIL3安全I/Oを使用して、同じコントローラ内にセキュリティアプリケーションを統合することです。
結果
ロックウェル・オートメーションのPlantPAx分散制御システムの使用は、複数の側面でプロデサ社にとって有益でした。まず、プロジェクト設計に要する時間をセーブすることができました。イシュマエル・サンズ氏は次のように述べています。「このプラットフォームを使用すると、プログラミング時間が60%以上短縮され、エンジニアリングプロセスはロックウェル・オートメーションによって開発されたライブラリオブジェクトの使用により50%削減されました。エンジニアリングの開発に関しては、コスト削減が当社の専門家の1,000時間分に相当すると述べています。」
さらに、PlantPAxシステムは構成済みのソリューションであるため、既存のライブラリを使用することで、同様のプロセスシーケンスを検討してテストする必要性が減ります。イシュマエル・サンズ氏は次のように述べています。「これにより、シミュレーション時間で60%以上のセーブが可能になりました。プラントのサイズが巨大であるため、6,000点を超えるI/Oの取付けと立上げをはるかに簡単に行なうことができでした。」
さらに、ロックウェル・オートメーションのコンポーネントはEtherNet/IPを介して接続されているため、機械のリモート管理とメンテナンスが大幅に簡素化され、ダウンタイムの削減、生産性の向上、エネルギー効率を最適化できます。
このメリットは、技術的側面とパフォーマンス面だけでなく、スタッフのトレーニングにもあります。プラントには異なるメーカの機器や機械が存在しますが、PlantPAx分散制御システムはすべてで同じですので、オペレータが学ぶ必要があるのは1つのソリューションの操作だけです。「このプラットフォームのおかげで、トレーニングコストを25%削減できたと言えます」と、サンズ氏は述べています。
イシュマエル・サンズ氏は、結論として次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションは、プロジェクトの規模に比例した大きなサポートを提供しました。ロックウェル・オートメーション製品を米国市場で使用することにより、信頼性、世界的な可用性、継続的なサポートがこのプロジェクトの最終的な成功につながります。このような規模のプロジェクトでは、高いレベルの技術パートナが私たちの努力を減らすことができ、プロセスの他の側面に集中することができました。」
GuardLogix, PlantPAx, およびRockwell Automationは、Rockwell Automation, Inc.の商標です。
EtherNet/IPは、ODVA, Inc.の商標です。
公開 2017/04/08