ソーレン･ラスムッセン氏は、産業用油圧機器向け可変周波数ドライブソリューションの北米大手サプライヤであるグリーン･ハイドロリック･パワー(GHP)社のマネージングディレクターです。親会社のMJC Engineering & Technology社は、カスタム工作機械メーカであり、このような新しいタイプの油圧システムに対する需要の高まりに応えるためにGHP社を設立しました。
- 使用中にもかかわらず常時稼動しているシステム
- エネルギーの浪費
- 極度の騒音
- 設計されたターンキーシステム
- オンデマンドの油圧と流量
- Allen-Bradley®のPowerFlex® 755可変周波数ドライブ
- カーボンフットプリントの低減
- 最大80%の省エネ
- 騒音排出量を20デシベル削減
課題
エネルギーを大量に消費し、騒音が大きい機器
油圧機器は、プレス、エキスパンダ、プレスブレーキ、工作機械、マテリアル･ハンドリング･マシンなど、さまざまな製造装置の動力源となっています。GHPによると、この種の機器を動かす電気モータは、世界の電気エネルギー生産の25%近くを消費しており、米国ではその割合はもっと高くなっています。
ラスムッセン氏は次のように説明します。「多くの製造環境では、生産ラインでの動作がない滞留時間が多いため、流量や圧力は必要ありません。しかし、従来の油圧システムは、必要なときに使用できるように、連続的に、しかも高速で作動していました。それは多くのエネルギーやその他の資源を浪費することにつながります。」
また、従来のシステムは非常に大きな音がするため、作業員の安全に影響を与える可能性がありました。
ソリューション
オンデマンド油圧圧力と流量
可変周波数ドライブを使用して、GHPは必要なときだけ油圧と流量を供給するターンキーシステムを開発しました。
ラスムッセン氏は次のように述べています。「これらのドライブでは、基本的にモータの回転数を下げます。流量と圧力が必要ないときは、速度を落とします。例えば、通常1750RPMでフル回転するモータを、300RPMに減速することで、エネルギーを大幅に節約できます。」
システムには、Allen‑Bradley®のPowerFlex® 755可変周波数ドライブが含まれています。
ラスムッセン氏は次のように説明します。「数年前にロックウェル･オートメーションのドライブを使い始めました。ロックウェル･オートメーションのドライブは非常に扱いやすいものです。エンジニアはロックウェル･オートメーションのドライブを搭載した機械を作るたびに、直感的でプログラムも簡単であることに喜んでいます。」
システムには冷却がほとんど不要
GHPの特許取得済みシステムは、油圧と流量をオンデマンドで使用するため、発熱量も少ない。そのため、冷却はほとんど必要ありません。
「冷却もエネルギーを消費するため、この方法で多くのエネルギーを節約できます。一部の工場では冷却塔をなくすこともできました」と、ラスムッセン氏は指摘します。
課題
大幅な省エネと職場の安全向上
GHPの顧客の1つである国際的な金属加工会社は、二酸化炭素排出量を削減するサステナビリティ(持続可能性)戦略の一環として、現在の油圧機器をGHPユニットに置き換えています。
ラスムッセン氏は次のように述べています。「機器や装置は年中無休24時間体制で稼働しています。現在のエネルギー使用量のベースラインを作成しました。新しいシステムが設置されれば、100馬力のモータを動かしている機器で50%から75%のエネルギー削減が見込めます。これは相当なことです。」
全体として、GHPのVFD油圧システムは通常、従来のシステムよりも最大80%少ないエネルギーで、騒音公害を劇的に低減し、より安全で生産性の高い職場を実現します。GHPユニットは平均20デシベル騒音を低減します。機器やその周辺での作業中に聴覚保護具は必要ありません。オペレータは集中しやすくなり、同僚とのコミュニケーションも円滑になるため、疲労が少なく生産性が向上します。
ラスムッセン氏は次のように説明します。「騒音は工場における大きな問題です。この種の装置を設置すると、ほとんどのフィードバックは騒音低減についてです。実際に私たちの機械の隣に立って、普通に会話をすることができます。」
公開 2024/10/10
