独自のターンキー
どんなビジネスでも、品質に対する評価は成功のカギとなります。そして、結び付きの強い北米の製材業界では、噂はすぐに広まるものです。
ロックウェル・オートメーションのPartnerNetwork™のOEMパートナであるBIDグループのSCADAディレクターのブルーノ・ラプラント氏は次のように述べています。「製材所のオーナはみな顔見知りで、定期的に情報を交換をしています。幸いなことに、私たちの設備が非常に成功を収めているという評判を築いてきました。」
その結果、BIDグループは木材加工業界における最大のサプライヤの1つとなり、北米市場をリードしています。ケベック州とサウスカロライナ州で主に活動する同社は、機器の設置から、最新のデジタル技術を搭載した統合ターンキーソリューションまで、幅広いサービスを提供しています。
BIDグループのマーケティングコーディネータであるヴィッキー・ドロレット氏は次のように述べています。「当社は、スマートでネットワーク接続されたターンキー方式の製造施設を提供する業界唯一の企業です。当社独自の供給範囲は、加工設備を超えて拡大し、土木工学や工場建設をカバーする範囲にまで広がっています。」
課題: 需要に見合ったテストの拡張性
近年、BIDグループは、ターンキーソリューションの需要が飛躍的に伸びていることを経験しています。同時多発的なプロジェクトの多さは、同社の制御システムテストのリソースに負担をかけています。
ラプラント氏は次のように述べています。「私たちは、立上げ前に当社の制御コードを常にシミュレートし、テストしてきました。しかし、既存のエミュレーションシステムは、当社施設のラックに設置された限られた数の物理的なPLCプロセッサに依存していました。」
標準的な製材所プロジェクトは、用地が数エーカーにわたり、複雑なプロセスや異種の機器の統合を伴い、15台以上のコントローラの処理能力を必要とします。プロセッサが不足しているために、BIDグループのエンジニアはアクセスを共有し、それをテストするプロジェクトの終了まで待たされることが多くなっていました。
さらに、エンジニアはエミュレーションソフトウェアを実行するために制御プログラムを変換する必要があり、その過程で構成が失われていました。さらに、エミュレートされた最終プロジェクトは現場で使用できないため、実際の物理的ハードウェアにインストールするために再変換する必要がありました。
「特に当社のプロジェクト量の増加を考えると、旧式のエミュレータはもはやタスクに必要な能力を持っていませんでした」と、ラプラント氏は述べています。
「懐疑論者」から「信奉者」へ
BIDグループはターンキーソリューションにAllen‑Bradley®のControlLogix® 5580プラットフォームを採用しています。シミュレーションとテストのための処理能力へのアクセスを増やすために、同社はコントローラの動作をエミュレートするソフトウェアアプリケーションであるFactoryTalk® Logix Echoを導入しました。
エミュレーションソフトウェアを使用すると、エンジニアは仮想環境で制御コードを完全にテストすることができます。このソフトウェアは、機械、生産ライン、または工場全体をエミュレートすることができます。また、エミュレートされたコントローラは、他のソフトウェアと組み合わせて幅広い用途に使用することができます。
BIDグループのチームは、新しいエミュレーションシステムに簡単に移行することができました。
ラプラント氏は次のように述べています。「このプロセスは、仮想プロセッサを使用しているか、または実際のプロセッサを使用しているかに関わらず、まったく同じです。当社のチームは、最初は懐疑的でした。その理由は、何かがあまりに簡単そうに見える場合は、大局的に見ると何かが欠落していることが通例だからです。しかし、彼らはそれが本当に効率的であることをついに悟り、このシステムをすぐに受け入れました。」
このシステムは、効率的であると同時に費用効率に優れています。