老朽化したDCSシステム
マイケル氏は次のように説明します。「約30年前の老朽化したDCSシステムをもっていましたが、運転やメンテナンスのスタッフがアクセスしやすい環境ではなかったため、変更が必要になるたびに制御グループが関与しなければなりませんでした。PlantPAxを使用することで、オペレータとメンテナンスチームが責任をもって作業できるようになりました。」
現在までに、IEUAは3つの施設を PlantPAxプラットフォームに変換し、今年初めに4つ目の施設の移行を開始しました。新システムには、PowerFlex750シリーズドライブ、CENTERLINEモータ・コントロール・センタおよびIntelliCENTERソフトウェア、ControlLogix®プログラマブルコントローラ、ThinManagerソフトウェア、FactoryTalk® AssetCentreソフトウェア、およびI/Oモジュールなど、ロックウェル・オートメーションが提供する数多くの製品が組み込まれています。
ライブアップグレード
マイケル氏は次のように述べています。「これらのアップグレードは、各施設で稼動中のシステムで行なわれています。ロックウェル・オートメーション、設計コンサルタント、社内スタッフの協力により、操業に影響を与えることなく、ダウンタイムを発生させることなく、これらのアップグレードを実現することができました。」
上下水道機関であるIEUAにとって、レジリエンシ(回復力)と可用性は優先事項です。コントロールの観点から、IEUAはダウンタイムがほとんどないことを誇りとしています。
施設間の一貫性
アップグレードを実施して以来、IEUAは制御システム関連の作業指示の数を減らし、制御システム統合プロジェクトに必要な変更指示の数も減らしました。
マイケル氏は次のように述べています。「アップグレードによって得られた大きな価値の1つは、施設間の一貫性です。標準化されたコントロールと高性能グラフィックスにより、どの施設もシステムの構成や設計が同じに見え、同じように感じられます。これは、オペレータが施設間を移動する際に提供する時間外オンコールサポートの合理化に役立っています。」
IEUAがアップグレードを成功させるには、主要な利害関係者の参加とトレーニングが不可欠でした。IEUAは、システム内で提供される情報が容易に理解できるように、システムの開発と設計にオペレーションチームとメンテナンスチームを参加させました。
「それが私たちにとって大きなことでした。みんなに新しいシステムを丸投げするのではなく、参加させ、トレーニングを受けさせ、最新の状態に保つことができました」と、マイケル氏は説明しました。
将来の計画
10年間のSCADAマスタープランが終了し、IEUAは次の計画を検討し始めました。
「私たちは、曝気槽の溶存酸素操作の化学薬品使用量を改善するために、モデル予測制御(MPC)といくつかの人工知能(AI)制御機能の導入を検討しており、またネットワークセキュリティの強化も検討しています」と、マイケル氏は語ります。