ロックウェル・オートメーションが、第30回Automation Fair®でインダストリ5.0を牽引する技術動向を紹介
今後の製造業における重要な技術として、人工知能(AI)、エッジとクラウドコンピューティングの統合、労働効率の強化を提言
ロックウェル・オートメーションは、PartnerNetwork™とともに、11月10日から11日にかけてAutomation Fairをテキサス州ヒューストンで開催し、同イベントの30周年を締めくくりました。
ロックウェル・オートメーションのアジア太平洋地域社長のスコット・ウールドリッジは、このイベントを振り返って、製造業は急速に変化しており、インダストリ4.0を超えて、次のインダストリ5.0に向けたロードマップを作成し始めるべきだと指摘しました。
「現在はCOVID-19パンデミックによって加速された大きな変化の時です。エッジとクラウドが融合した開発環境や、人工知能(AI)による自律化した生産はもはや目新しい技術ではなく、重要かつ有用なソリューションになろうとしています」と、スコット・ウールドリッジは述べました。
リモート接続、デジタルツインによる高度なエンジニアリング、物理的資産とデジタル資産の混在、人間と機械の相互作用の変化がインダストリ5.0の到来を促進しました。フロスト&サリバン社のレポートは、インダストリ4.0と5.0の違いを定義した上で、達成可能で実効性のある変化として以下の点を強調しています。
- 顧客サービスの提供
- ハイパーカスタマイズ
- 応答性が高く、分散型のサプライチェーン
- エクスペリエンスアクティベート型(対話型)製品
- 工場への人材復帰
「テクノロジ人材の獲得競争が世界的に拡大する中、ロックウェル・オートメーションは、人間と機械の相互作用をより効率化するシステムの提供を目指しています。我が社の目標は既存の機能を強化することです。生産を最大化し、作業者が物理的に存在することへの依存を最小限に抑え、効率と安全を高めます」と、スコット・ウールドリッジは述べています。
インダストリ5.0を可能にするテクノロジ
インダストリ5.0を目指すには、各種技術を活用していかなければなりません。このイベントでは、特にテクノロジを活用すべき重要な分野として、以下の4つをあげています。
- クラウド、エッジ、ソフトウェアの進化
- ユニバーサル制御と統合開発環境(IDEs)
- AIネイティブな運用管理(サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、デジタルサービスを含む
- 自律化した生産と労働効率の強化
企業レベルでの管理を可能にするには、ソフトウェア定義構成を備えたシステムと、その基盤となるハードウェア設備が必要です。「これは、全システムを変更する必要があるとか、既存のハードウェアが時代遅れになっているということを意味するものではありません。デバイスからエッジ、クラウドまで、プロセス全体のスマート化が求められています。融合した環境では、制御、安全、物理的動作がすべて一緒になって、調和して動作する必要があります」と、スコット・ウールドリッジはコメントしています。
スコット・ウールドリッジは、AIを利用したアーキテクチャを構築することで、運用管理がより効率的になると説明しています。AIを使えばプロセスモデリングの視点から、システムの状況をデータ分析にまとめることで、シンプルな次世代のシステム設計を行なっていくことができます。
最後に、自動化システムを自律システムに変えていくことで、労働効率の強化に向けてより良い意思決定が可能になります。「自律システムの登場は、自律制御システムの本質的な原則を再考する機会です。新しい技術を使うことで、既存のシステムを強化することができます」と、スコット・ウールドリッジは述べています。
テクノロジは革新の原動力です。「事業に成功するには、テクノロジを理解して、それを使いこなす必要があります。ロックウェル・オートメーションは、デジタルネイティブの世界では、利益を生み出す革新的な製品とソリューションを提供するために、ユーザエクスペリエンスが重要であると理解しています」と、スコット・ウールドリッジは結論づけました。
Automation Fairのセッションは2022年2月まで視聴可能
2021年のAutomation Fairでは、100以上の展示、業界フォーラムの他、アンハイザー・ブッシュ・インベブ、ブリヂストン、コルテバ、クラフト・ハインツ・カンパニーなど世界的企業の第一人者たちとのパネルディスカッションを開催しました。セッションでは、サイバーセキュリティやスマートデバイスなどの話題から、労働効率の強化や高度なロボット工学に至るまで、テクノロジの混乱とそれがもたらす機会について掘り下げました。
2022年2月までオンラインでAutomation Fairにご参加いただけます。こちらから参加登録の上、セッションを視聴したり、バーチャルな展示フロアツアーにご参加ください。
ロックウェル・オートメーション、AVATA社の買収によりサプライチェーンサービスを拡大
バリューチェーン全体のデジタルスレッド機能を強化
ロックウェル・オートメーションは、サプライチェーン管理、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)、企業パフォーマンス管理(EPM)ソリューションの大手サービスプロバイダであるAVATA社を買収しました。AVATA社は、企業アプリケーションに関する重要な専門知識を有しており、Oracle Cloudソフトウェアアプリケーションの主要なコンサルタントおよびシステムインテグレータでもあります。
AVATA社は、エンド・ツー・エンドのサプライチェーンの可視性と管理を大幅に改善することで、ロックウェル・オートメーションの産業用デジタルトランスフォーメーションのサービス事業であるカリプソ社とともに、ロックウェル・オートメーションがお客様に提供できるIT/OT (情報技術/運用技術)の融合の価値をさらに引き出すことに貢献します。AVATA社は、ロックウェル・オートメーションのライフサイクルサービス事業の一部であるカリプソ社に統合されます。
ロックウェル・オートメーションのライフサイクルサービス担当のシニアバイスレジデントであるフランク・クラセビッチは次のように述べています。「AVATAを当社のポートフォリオに迎え入れることは、当社の技術力とコンサルティング能力を強化し、実装、使用、保守が容易なクラウドネイティブなソリューションでお客様により良いサービスを提供するという戦略の一例です。製造業では、サプライチェーンやオペレーションのレジリエンス(回復力)、アジリティ(俊敏性)、サステナビリティ(持続可能性)がますます求められており、その取り組みを加速するためにクラウドソリューションを採用しています。AVATAの加入によって、デジタルトランスフォーメーションを実現するクラウドソリューションの主要なポートフォリオをお客様に提供する我々の能力が強化されます。」
カリプソ社とAVATA社は3月に正式なパートナシップを発表し、力を合わせてオラクルのクラウドアプリケーション群を用いてお客様のデジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速させることを支援しています。ロックウェル・オートメーションは、今回の買収により、これらのシナジー効果をさらに高め、サプライチェーン・コンサルティング・サービスを拡大し、企業全体から工場現場、さらにはサプライチェーン全体に至るまで、エンド・ツー・エンドのデジタル・トランスフォーメーション・ソリューションをサポートしていきます。
カリプソ社のグローバル・マネージング・ディレクタであるジョージ・ヤング氏は次のように述べています。「AVATAが加わることで、バリューチェーン全体でのデジタルスレッド機能が強化されます。既存のパートナシップを通じ、私たちはさまざまな業界の製造メーカと協力して、製品の発見、創造、製造、販売の方法を根本的に変えようとしています。今回の買収は、私たちがすでにお客様に提供している素晴らしい結果をさらに拡大することとなるでしょう。」
AVATA社のCEOであるアニル・トーマス氏は次のように述べています。「カリプソとロックウェル・オートメーションが力を合わせることで、より多くの企業がデジタルトランスフォーメーションのイニシアチブを活用して、サプライチェーン全体で価値と競争力を高めることができるようになります。私たちは、お客様と私たちのチームにどんな未来が待っているのか期待しています。」
AVATA社は、ロックウェル・オートメーションが近年行なっているクラウドネイティブな投資をサポートしており、そのオープンアーキテクチャを基にデジタルスレッドを拡張し、PlexやOracle Cloudを含む他の主要テクノロジとの強力な統合を可能にします。
8月、ロックウェル・オートメーションは、クラウドネイティブなスマート・マニュファクチャリング・プラットフォームのリーディングカンパニーであるPlex Systems社の買収を完了しました。2020年12月、ロックウェル・オートメーションは、最先端のメンテナンスソリューションを提供するクラウドソフトウェア企業であるFiix Inc. 社の買収を完了しました。
ロックウェル・オートメーション、OEMパートナプログラムの刷新を成功し、
グローバルパートナを拡大
ロックウェル・オートメーションは、2020年末に、従来のマシン・ビルダー・プログラムにかわる新しいOEMパートナプログラムを発表しました。機械装置メーカ(OEM)のお客様にさらなるメリットをもたらし、ビジネスの成長とお客様への優れた価値の提供を支援します。全世界での導入から丸1年が経過した現在、このプログラムは大きな導入効果を示し、新たなOEMパートナを迎えています。
以前はマシン・ビルダー・プログラムと呼ばれていましたが、今回のOEMパートナプログラムでは、機械装置メーカ(OEM)のお客様に大きなメリットがあります。以前のプログラムは約10年前から存在していましたが、今回の更新では、機械装置メーカ(OEM)のお客様とのパートナシップを強化し、商業的および戦略的な関係を促進しています。ロックウェル・オートメーションでは、このプログラムの初期段階では国内で成功を収めていましたが、今回のグローバル展開では、機械装置メーカ(OEM)のお客様にさらなるメリットを提供することで、新たな地域や産業分野でのパートナシップの拡大に成功しました。
ロックウェル・オートメーションのグローバル・マーケット・アクセス担当バイスプレジデントであるヨハネス・ツー・エルツは次のように述べています。「このプログラムをグローバルに展開した結果、非常に優れた結果が得られました。このプログラムをグローバルに展開した結果、パートナの収益にプラスの影響を与えるメリットが定量的に増加し、その結果、OEMパートナはロックウェル・オートメーションとの戦略的提携に向けた取り組みを強化することができました。このプログラムは、他に類を見ない共同マーケティングの機会を提供し、当社の営業部隊と連携した市場計画を立て、共同管理された目標に基づいて顧客エンゲージメントを向上させるという、これまでにない機会となっています。このプログラムへの要望は圧倒的なものでした。これまでに3,200社以上のOEMパートナにご参加いただき、今年度だけで2社がプラチナ、86社がゴールドに昇格しました。私たちは、PartnerNetwork™エコシステムの継続的な成長を期待しています。」
OEMパートナの皆様には、より充実したプログラムをご提供いたします。プログラムには、情報、業界のケーススタディ、製品の成功例などを活用してコミュニティに貢献していただけるような充実した共同マーケティングのプラットフォームをご用意しています。また、OEMパートナとそのお客様との共同マーケティングの価値を高めるために、トレーニングや主要な業界活動が追加され、ビジネス上の連携がより明確になりました。
さらに、サポートレベルの向上、技術リソースの増加、サプライチェーンの連携、新技術の導入障壁の低減により、OEMパートナは差別化を図り、ビジネス上の課題を克服することができます。
ロックウェル・オートメーションのOEMパートナプログラムについては、こちらをクリックして、最寄りの事業所までお問い合わせください。
ロックウェル・オートメーションとバッテリのパイオニアであるカデンツァ・イノベーション社が、エネルギー貯蔵の推進とサステナビリティの向上を目指して提携
クラウド型の分散型エネルギー貯蔵モニタシステム、製造実行システム(MES)、未来のスマート・コネクテッド・ファクトリのための制御自動化を共同で構築
ロックウェル・オートメーションは、安全、低コスト、エネルギー密度の高いリチウム・イオン・バッテリを提供し、数々の賞を受賞しているカデンツァ・イノベーション社と、業界最高性能のバッテリセル生産ラインを構築するという共通の目標を含む戦略的関係を定義するために、協業を開始しました。
2022年には、分散型エネルギー資源の導入を管理するための顧客向けクラウドポータル、バッテリの製造実行システム(MES)、米国および海外でのカデンツァ・イノベーション社のバッテリ製造の拡大をサポートする設備の自動化などを共同で開発する予定です。
ロックウェル・オートメーションとカデンツァ・イノベーション社は、業務システムから工場の現場に情報を送り、さらに現場に設置された蓄電システムにも情報を送り、現場のデータをカデンツァ・イノベーション社のコネクテッドオペレーションにフィードバックすることで、「クローズドループ」の完全なデジタルスレッドを構築したいと考えています。これにより、お客様のシステムの性能を最大限に引き出すことができるようになります。
ロックウェル・オートメーションのサステナビリティ担当バイスプレジデントであるトム・オライリーは次のように述べています。「私たちは、カデンツァ・イノベーション社と協力して、高性能のバッテリセル生産を構築できることをうれしく思います。ロックウェル・オートメーションの製造とサステナビリティに関するグローバルな業界専門知識と、カデンツァ・イノベーション社のバッテリ市場における現場で実証されたオペレーションと量産の専門知識により、私たちはサステナビリティとイノベーションへの取り組みで足並みを揃えることができました。」
ロックウェル・オートメーションと協力することで、カデンツァ・イノベーション社は自社のバッテリ技術をより迅速にお客様に提供することができるようになります。このことは、新興のサステナブル(持続可能)なバッテリ分野、新エネルギー技術とお客様、新経済生産の実現に向けたロックウェル・オートメーションのコミットメントをさらに明確に示すものです。
カデンツァ・イノベーション社が特許を取得し、ULにも登録されているスーパーセルバッテリは、優れたエネルギー密度と低コスト、そして業界トップクラスの安全性を兼ね備えており、熱暴走時の伝搬を阻止します。このスーパーセルバッテリは、米国国防総省の厳しい安全試験にも合格しています。カデンツァ・イノベーション社のプラットフォームベースのエコシステムは、ユーティリティ市場、商業・産業市場、輸送市場、プロシューマ(生産消費者)市場のニーズに対応しており、スペース効率の高い構成で迅速な製品展開を可能にします。
カデンツァ・イノベーション社のCEOであるクリスティーナ・ランペ-オネルード氏は次のように述べています。「地球温暖化防止のために、よりクリーンなエネルギーへの移行が進んでいます。電気自動車や電力会社の蓄電設備など、さまざまな用途で世界的に導入が進んでおり、リチャージャブルバッテリ(充電式電池)に対する需要はかつてないほど高まっています。リチウムイオン電池は、このニーズを満たす唯一の実用的なソリューションですが、より安全で性能が高く、低コストのものが求められています。ロックウェル・オートメーションのような世界的な企業とチームを組むことで、両社はサステナビリティを重視しながら、この世界的な需要に対応することができます。一緒に仕事ができることをうれしく思います。」
ロックウェル・オートメーションとThe Pyure Company社が、よりクリーンな空気の提供とCOVID-19対策のための戦略的契約を締結
ロックウェル・オートメーションとThe Pyure Company社は、室内の空気環境を改善し、COVID-19の蔓延を防ぐためのソリューションを提供するために、5年間の戦略的契約を結んだことを発表しました。Pyure社は、紫外線を利用した業務用空気清浄機の設計・製造を行なう、世界をリードする革新的な空気清浄技術を持つ企業です。Pyure社のソリューションは、COVID-19ウイルスを含む最も一般的な室内病原体を99%以上死滅させるとのことです。
パンデミックの影響で、企業がより回復力のある、アジャイル(機動的)でサステナブル(持続可能)な企業になる必要性が高まっている中、Pyure社は、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® InnovationSuiteから産業用モノのインターネット(IIoT)と知識獲得ソリューションを統合し、産業用オペレーションデータの収集、集約、安全なアクセスを可能にする単一のソリューションを提供します。その結果、Pyure社のお客様は、データと制御をビル管理戦略に統合しながら、Pyure社がどのように環境を保護しているかを示すリアルタイムデータにアクセスできるようになります。
この共同技術資産により、お客様は屋内と屋外の条件を比較して、建物や産業プロセスに最適な戦略を選択することができます。また、お客様は、Pyure社のシステムを1カ所で管理し、お客様のデバイスを共通のゲートウェイ、ダッシュボード、モバイルアプリのプラットフォームに統合することで、リモートでトラブルシューティングやシステムサービスを受けることができるようになります。Pyure社では、今回の提携により実現したトレンドデータや最適化データが、報告のために空気質データを記録しなければならない環境でも活用されることを期待しています。
ロックウェル・オートメーションのアメリカ州情報ソフトウェア&ソリューション担当バイスプレジデントであるジェイソン・アダムスは次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションは、産業オートメーションのグローバルリーダとして、Pyure社のような企業に、業務効率を最大化し、予知保全のメリットをもたらすソリューションを提供できることを誇りに思っています。COVID-19ウイルスが世界中で最も重要な健康問題となっている中、ロックウェル・オートメーションはPyure社とその顧客がより早く、より簡単にデータにアクセスできるような製品とソフトウェアを提供することを楽しみにしています。」
ロックウェル・オートメーションは、ヴィーナ・ラクンディを企業戦略・開発部門長に任命
ロックウェル・オートメーションは、11月1日付で、ヴィーナ・ラクンディを企業戦略・開発担当シニアバイスプレジデントとして迎え入れたと発表しました。彼女はロックウェル・オートメーションの会長兼CEOであるブレイク・モレットの直属の部下となります。
ラクンディは、3M社で責任ある職務を歴任し、ロックウェル・オートメーションに入社しました。ラクンディは、3M社ではシニアバイスプレジデント兼最高戦略責任者、テクノロジ、トランスフォーメーション、サービス部門の暫定リーダを務めていました。
モレットは次のように述べています。「ヴィーナは、世界トップクラスのグローバルチームとビジネスを構築し、顧客・社員・株主・取引先に素晴らしい結果をもたらした実績があります。戦略、研究開発、販売、マーケティングにおける彼女の経験は、お客様への価値を高める方法を見つける上で、当社のリーダシップチームに加えるのに最適な人材です。ヴィーナをロックウェル・オートメーションに迎えることができ、うれしく思います。」
ラクンディは次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションのチームに参加し、全社的な戦略立案とインオーガニック開発活動を統括できることをうれしく思います。ロックウェル・オートメーションは、産業用オートメーションとデジタルトランスフォーメーションのリーダとしてすでに多くのことを成し遂げており、私は会社の前進を支援する機会に感謝しています。」
ラクンディは、今年初めに引退を発表した企業開発担当シニアバイスプレジデントのエリック・フックスの後を継ぎます。
モレットは次のように述べています。「エリックは、彼の長いキャリアの中で、ロックウェル・オートメーションに素晴らしい影響を与えました。最近では、エリックは高機能な企業開発チームを作り、当社の戦略遂行に大きく貢献しています。また、ヴィーナの移行をサポートするために彼が行なっているすべてのことに感謝しています。」