あるチーズ工場でプロセス制御システムをロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® Batchにアップグレードした際に、従業員が新システムを理解できていないことに気づきました。この企業は制御システムの専門知識を持った技術者を雇い、更新したバッチアプリケーションをメンテナンスするためのバッチに関する知識を得ましたが、プラント責任者は製品の品質や在庫にばらつきがあり、収益の減少を招いていることに気づきました。
終業後に停電が発生し、プロセスラインが停止するという事象が発生したため、この工場はロックウェル・オートメーションのテクニカルサポートに連絡し、年中無休の24時間体制のTechConnectSMアプリケーションサポート契約を結びました。
優れたサポート力
担当のテクニカル・サポート・チームは、工場のアプリケーションをサポートするためにその生産システムを深く理解し、知識のギャップを埋めるために必要な専門知識を提供しました。
サポートチームはシステムにリモートでアクセスし、SQLサーバのハードドライブの空き容量がなくなっていることを確認したため、すぐにハードドライブの容量を空けて一時的に動作を復旧させました。翌日、根本的な原因を分析したところ、SQLサーバのデータベースの自動バックアップが失敗していたために、ハードドライブの空き容量が全くなくなってしまうことが明らかになりました。サポートチームは、バックアップが失敗した場合でもハードドライブの空き容量がなくなることがないような、データベースの管理方法を策定しました。
これとは別に、動作シーケンスを手作業で変更したことで、主に2番目と3番目のシフト中によく停電が発生していました。テクニカルサポートによる調査によって、Allen-Bradley®のControlLogix®プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)のコード修正が必要であることが判明しました。この事象が再発しないよう、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)のセキュリティ設定も変更され、2番目と3番目のシフト中の停電は減少しました。
診断および処置
製品の品質や、投入される原材料と生産される製品とでの原料在庫の相違の問題を解決するため、工場側とサポートチームが共同でバッチプロセス全体を見直しました。
ロックウェル・オートメーションのエンジニアは、プログラミングコードを新しく実装し、工場のプロセスの複数の工程で重量測定が不正確であることを検出しました。この結果を受けて、当社のエンジニアは原料の計測を正確かつ安定して行なうために、不良な計測ユニットの交換とより頻繁なキャリブレーションの実施を推奨しました。これによって製品の品質と工場の在庫追跡・管理能力が向上し、月間80,000ドル以上の損失を防ぎました。
この工場では在庫の相違をさらに改善するグローバルイニシアチブとして、在庫追跡システムをSAPに移行することを決定しました。移行に先立ち、アプリケーションの改修が必要でした。ロックウェル・オートメーションは信頼できるパートナとして、SAPとプラントのプロセスコントローラとの通信を可能にするプログラミングコードを設計し、移行中のダウンタイムを防止しました。
さらに、当社のエンジニアは工場の社内エンジニアたちを継続的にトレーニングすることで、人材の強化を支援しています。知識管理オプションにより、社内エンジニアたちは簡単にソリューションマニュアルを入手して、問題処理能力を高めることができます。プラントのオンサイト機器に関するソリューションの詳細を確認できることで、定期的に発生する問題の特定と解決が簡単に行なうことができ、効率も向上します。
ご満足いただける結果
TechConnect契約の下に結ばれたパートナシップによって、このチーズ工場では従業員の知識が向上し、より革新的なバッチシステムへの移行に成功しました。プロフェッショナルなサポートにより、この工場の製品品質や在庫管理といったプロセスが全体的に改善されました。
アプリケーション・サポート・エンジニアの専門知識を最大限に活用することで、この工場はバッチシステムのメンテナンス費用を年間で200,000ドル削減できました。