- 手順: 手順では、ポリシーを確立するために従う必要があるステップを説明します。手順は、文書化および導入すると、誰もが理解して順守できるプレイブックとして大きな価値をもたらします。手順は一周します。手順により関係者がしっかり連絡を受け、従業員が離職しても一貫性が維持され、セキュリティ文化が会話の一部となります。
機器が故障した際、素早く復旧する準備がどのくらいできていますか? 大多数の企業では、特に熟練労働者の不足、陳腐化リスク、および運用の複雑化に取り組む際、外部のサポートがある程度必要です。
企業がビジネスモデル、製品、生産、およびバリューチェーンの改革を続けるにあたっての主要目標は、リスクを最小限に抑えて生産性を最大化することです。製造メーカは、プラントフロアを変革できるテクノロジの進歩についていくというという課題に取り組んでいます。成功に向けて作業員を備えさせつつ、現在のシステムをサポート、整備し、最適な形で運転を維持する能力が重要です。
ロックウェル・オートメーションは、技術革新、分野の専門知識、および誠実さの文化により、投資のライクサイクルを通してソリューションに付加価値を与えながら、必要なテクノロジ固有の専門知識を提供します。
直面する課題は、場所や業界により日々変わる可能性があります。あるプラントや地域ではスキルギャップがおぼろげに見え始めているのに対し、安全の向上が必要なプラントや地域もあるかもしれません。また、特定の資産や伸び悩んでいるプラントのパフォーマンスを最適化する必要がある場合もあります。または、すべての現場でのテクノロジの最新化を目指しているかもしれません。コネクテッドエンタープライズの各種機能は、今日の製造業が抱えるいくつかの最重要課題に対応するために役立ちます。
しかしながら、モビリティ、人工知能などのスマートテクノロジの最新の進歩を活用するためには、まず運用技術(OT)と情報技術(IT)のコンバージェンスに関わる課題に対応する必要があります。この対応により、データと分析ツールの真の価値を獲得できます。
ネットワークと仮想化
生産フロアの産業用資産と企業のその他のバリューチェーンとを緊密に統合するには、セキュアなネットワークと共通のシステムのもとで管理できるアクセス可能なデータが必要です。堅牢でセキュアかつスケーラブルなネットワーク基盤は、生産性の向上と、さらに重要なことにリスク削減に役立ちます。
産業用インフラのサイバーリスクの削減は、非常に重要です。脆弱性、設定ミス、およびセキュアでないネットワーク接続を積極的に発見することにより、サイバーリスクを削減することができます。管理型サービスは、ネットワークと仮想化インフラのモニタ、管理、維持に役立ちます。
ロックウェル・オートメーションの産業用データセンター(IDC)などの既成のソリューションは、仮想環境への移行を容易にし、時間と費用を節約するために役立ちます。IDCは、製造業および生産業向けに特別に事前構成された、トップ企業の機器を組み合わせています。
Versa VirtualはIDCに新たに追加されており、リモートモニタおよび管理付きで完全に構成された状態で提供されます。このため、セットアップにITまたはOTの特別なスキルは必要ありません。Versa VirtualはInnovation SuiteやPlantPAxなどのアプリケーションに最適なプラットフォームを提供します。Versa VirtualとIDCのファミリーにより、ロックウェル・オートメーションはライクサイクルのすべての段階を積極的にサポートおよび管理することができます。
デジタルトランスフォーメーション向けサービス
サステナビリティを維持するには、システムの最新化が必要です。デジタルをより重視する企業への変革は、大変かもしれませんが、現在の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を考えると非常に重要です。
デジタルトランスフォーメーションは、その中核において、データと情報の共有と交換を可能にします。これは、生産、サプライチェーン、および従業員に関して目まぐるしく変わる要求に適応するにあたり、かってないほどの重要性を帯びています。適切に導入すると、デジタルにより、チーム、シフト、または組織の階層間で情報を簡単に共有できます。
ロックウェル・オートメーションのライフサイクル・サービス・グループは、新しいプラントの設計やデジタルトランスフォーメーションの実現など、この過程のあらゆるステップでサポートを提供できます。さらに、分析ツールや関連サポートはいつでも必要になる可能性があるので、このグループはデジタルで実現されるライクサイクルによる機器の生産性とセキュリティの強化も支援できます。小規模なオペレーションからグローバルな数百万ドル規模の企業にまでスケーラブルなサービスを提供することで、要件に合わせてサポートレベルをカスタマイズ可能です。
単一ネットワークの管理やOTサイバーセキュリティプログラム全体の世界展開など、OT分野に的を絞ったコネクテッドサービスは、成長維持に役立ちます。オンサイトのメンテナンスおよびサポートまたはテクニカルサポートおよびトレーニングと合わせ、すべてのサービスはデータと分析ツールによって推進されます。
ITとOTのコンバージェンスが優先されるので、サイバーセキュリティは日々のオペレーションに必須なだけではなく、継続中のデジタル・トランスフォーメーション・プログラムにとっても重要です。特に部内者の脅威が部外者の脅威と同程度のリスクとなりうる場合、ファイアウォールなどの単一のテクノロジに基づくセキュリティ体制では不十分です。OTシステムのセキュリティの専門家と連携し、サイバーセキュリティをトランフォーメーションプランとテクノロジロードマップに統合する必要があります。
始めにすべきこと
Installed Base Evaluation (設置ベース評価)は、施設内の重要なパフォーマンス情報の収集と分析を容易にし、今後の展開を計画するために役立ちます。
設置ベースの現状をしっかり把握し続けるのは難しい場合があります。生産システムは複数の場所に配置され、産業用資産は各種ベンダーによって供給されており、複数の作業者が整備している可能性があります。
生産が停止するまで重要なスペアパーツが不足していることに気づかないかもしれません。さらに悪い場合、そのパーツが製造中止となっていることもあります。施設のシステムおよびパーツを把握していないと、陳腐化、パーツ不足、人員のトレーニング不足などのリスクが生じます。
デジタルツールを使用すると、設置ベースの状況を正確に把握できます。設置した設備だけではなく、設備の経年変化も把握できることを想像してみてください。この情報により設置ベースの現状が明確になり、生産に最大の危険をもたらすリスクの優先順位が決まります。他の事業分野の追加リスクも明らかになります。例えば、このような可視性により、最も重要な資産に関してデバイスを評価し、維持および操作することを期待される資産に合ったスキルを作業者が確実に習得するためのトレーニングプログラムを検討できます。
設置ベースに対する可視性により、障害発生時にデバイスを確実に交換するために十分なスペアが在庫にあるかどうかを把握できます。これは、長時間ダウンタイムが生じるリスクの削減に役立ちます。
不確実な時期における別の機会としては、設置ベース全体の陳腐化リスクの評価があります。ロックウェル・オートメーションと第三者はどちらも、お客様の設置済みデバイスのライクサイクルの状況を把握することで、最新化計画の支援以上のことを実行できます。この情報は、短期的には最新化を実現できない可能性がある場合でも、交換部品および資産維持に必要な知識へのアクセスを確保するための適切なサポート戦略の決定に役立ちます。
この情報の3番目の用途はトレーニングです。設置ベースに関する洞察および分析ツールを利用できるだけではなく、設置ベースをトレーニングプログラムに直接つなげ、チームに生産維持に必要なスキルがあることを確認できると想像してみてください。e-learning、My Equipment、およびより広範なデジタルツールセットの利用により、分野を越えたこのコネクションが可能になります。
アセットパフォーマンス管理
ARC Strategiesの報告書『Rethinking Asset Performance Management』によると、 資産管理の成功には、産業用施設のメンテナンス部門、信頼性部門、プロセスエンジニアリング部門、およびオペレーション部門間の緊密な協力が必要です。新しいデジタルツールは、この協力をより簡単にできます。
適切なツールセットは、以前手作業で行なっていたタスクの自動化も進め、お客様とお客様のチームの生産性向上に役立ちます。企業が変化し続ける状況に素早く適応しようとするにあたり、設置ベースに関する洞察、トレーニングプログラムなど何であれ適切なデータと情報へのアクセスは、ますます重要性を増しています。
毎回デジタルアクセスを利用できれば、対応の計画、対策の実施、利害関係者への連絡に費やす貴重な時間を節約できます。生産スケジュール、需要計画、およびサプライチェーンへの影響が目まぐるしく変わる中、意思決定と時間的制約のある対策の実施に役立つ信頼できる情報を利用できることの重要性がかってないほど高まっています。
リモートアクセスの保護
製造メーカは、プラントフロアへのリモートアクセスをアクティブに管理し、資産を脆弱性リスクにさらすことを避ける必要がありますが、残念ながら、これらのリスクは日々深刻化しています。機器からシステムまでプラントフロア間の接続が充実する中、製造メーカがこのテクノロジへの社内外からのアクセスを管理する方法は進化しています。
製造メーカ各社が注意すべきなのは、OT環境固有の脆弱性につけこむランサムウェア攻撃の増加です。より一般的なリスクとして、ヒューマンエラーも予期しないダウンタイムや安全および環境リスクにつながる可能性があります。リモートアクセスは、リモートアクセスなしでは費用と時間がかかるバーチャルでのトラブルシューティングやモニタを可能にしますが、ミスの可能性も発生します。例えば、オフサイトのベンダーまたはオンサイトの管理者がプログラムを誤ったPLCに間違ってダウンロードし、これが原因で誤動作、ダウンタイムによる生産量低減、および追加コストが発生することは稀ではありません。
セキュアなリモートアクセスは、セキュアな通信回線とリモートアクセス経路の両方を提供し、プラントフロアの機械、機器、コントローラ、およびシステムへのアクセスのアクティブな管理を可能にします。大多数の製造メーカは機械装置メーカ(OEM)またはシステムインテグレータが導入した機器を使用しており、機械装置メーカやシステムインテグレータは、HMIやPLCを含め、導入した機器をトラブルシューティングおよび管理するためにリモートで接続できます。セキュアなリモートアクセスにより、より素早く問題に対応し、機器の稼働時間と可用性を高めることができます。
セキュアなリモートアクセスは、実現に使用されるテクノロジ(大多数の場合バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN))をはるかに超えた意味を持ちます。VPNはインフラを提供し、プラントフロアにアクセスするためにトンネルを通る人を管理するためのセキュアなバーチャルトンネルの役目を果たします。セキュアなリモートアクセスにより、ポリシーと手順を管理し、アクセスできるユーザを制御し、セキュアな通信を確保し、サービスの監査と追跡を実施できます。
アクセスを制限する方法の1つは、インバウンドトラフィックは許可せず、サイトからのアウトバンドトラフィックだけを許可する特定のファイアウォールルール構成を確立することです。インバウンドトラフィックは特定のIPアドレスに制限され、そのアクセスは認証要件でさらに制限されます。通信機能を制限し、アクセスを管理することにより、すべての活動をモニタ、追跡、および記録することができます。
これにより製造メーカはプラントフロアでバーチャルトラフィックを積極的に制御できるだけではなく、タイムリーな問題解決の実現と予期しないダウンタイムの削減により、莫大な価値を実現できます。製造業では「時は金なり」です。セキュアなリモートアクセスは、より素早く生産環境を修正し、より効率的に運転し、データ主体のより良い決定を行なうことを支援することで、収益保護に貢献します。
人、ポリシー、および手順
セキュリティを職場文化の一部とするために製造メーカが注力する必要があるのは、人、ポリシー、手順の3つです。
- 人: アクセス権を持つユーザ、施設のスタッフ、および管理者を擁するサードパーティのセキュリティプロバイダ、機械装置メーカ、およびシステムインテグレータや、コーポレートガバナンスチームを含め、セキュアなリモートアクセスの利用と管理に関わるすべての人が含まれます。これらのチームは、ポリシーと手順を機能させる鍵となります。また、適切な教育およびトレーニングにより、脆弱性とリスクの低減に役立つ職場のセキュリティ文化の構築に貢献します。
- ポリシー: ポリシーは出発点です。この指針は、セキュアなリモートアクセスの管理方法を定義します。ポリシーでは、アクセスが必要な人、アクセス先、およびアクセス理由の概略を示します。また、プロセスは1つか複数か、アクセスは一元管理型か分散型か、および管理は積極的か消極的かを規定します。総合セキュリティプロファイルなど、このポリシーの策定にあたって考慮する必要がある他のポリシーはありますか?IDカードへのアクセスや誰がどこに立ち入れるかに関するルールなど、物理的セキュリティに関するポリシーがすでにある場合、それはリモートコミュニティにどのように拡大または相互接続されますか?現在のポリシーを改定したい場合は、ロギングおよびトレーサビリティ機能や監査結果を再検討してください。また、セキュリティホールや改善点を探すために自社システムを忘れずに検査してください。
技術的な問題は頭痛の種です。パフォーマンスを阻害する可能性もあります。生産問題の素早い解決、トレーニングの改善、ソフトウェアの更新版の合理化のどれが必要な場合でも、ロックウェル・オートメーションのTechConnectサポートサービスは以下のような支援を提供します。
- オンラインサポートによる問題解決とサポート履歴へのアクセス
- インストールと構成、トラブルシューティング、または技術的問題の診断を手助けする製品スペシャリストのサポートによるバックアップと実行の迅速化
- 年中無休24時間体制の必要なときに専門家に相談可能
- トレーニング管理
- ソフトウェア更新のより良い管理
- Live View SupportTMツールによる問題解決の迅速化 – ユーザが見ているリアルタイムの表示を、問題の明確化とトラブルシューティングプロセスの迅速化を手助けする技術の専門家と直接共有できます。
ロックウェル・オートメーションは、PTCのVuforia拡張現実(AR)プラットフォームを活用し、お客様にテクニカルサポートを提供する方法を革新および最新化し続けています。当社のクラウドベースのARライブラリは、Allen-Bradleyのハードウェアの修理と整備に最新のアプローチをすでにもたらしています。また、TechConnectサポート契約、モバイルデバイス、およびVuforia Viewアプリケーションにより、お客様は実行しているタスクに関するAR体験を簡単に開始し、正しい手順を疑似体験できます。
ロックウェル・オートメーションのライフサイクルサービスにより、企業の設計、構築、維持、または改善のいずれを行なう場合も、アクティブなコラボレーションと支援により可能性を拡大できます。
当社のサポートは、お客様がライクサイクルのどの段階においても、複雑さを越えて成功を見つけるために役立ちます。