2023年スマートマニュファクチャリング報告書によると、テクノロジと熟練労働者の不足が原因でアジア太平洋地域の製造メーカの45%以上が競合他社との競争に苦戦していることが判明
スマートマニュファクチャリングのテクノロジが、データから得られる知見の最大化、人材の確保、およびサプライチェーン、品質、サイバーセキュリティに関するリスクの最小化に与える影響が調査で明らかになりました。
ロックウェル・オートメーションは、2023年の「スマートマニュファクチャリング報告書」で、毎年続けていて第8回目となる調査結果を発表しました。この調査は、製造業が発展している13カ国で1,350社以上の製造メーカを対象に実施されました。
今年の報告書では、品質を犠牲にすることなく収益性の高い成長を目指すこと、データが持つ真のポテンシャルを活用することが重視されており、レジリエンス(回復力)を高め、素早い対応を実現し、サステナビリティ(持続可能性)を向上させ、労働力の課題に取り組むためのテクノロジの導入が増えていることが明らかになりました。
主な調査結果は以下の通りです。
- アジア太平洋地域の製造メーカの進歩を阻害する最大の社内障害は、2022年の調査では「新技術を導入・統合する」ことであったのに対して、今年は「品質と成長の両立」「サステナブルな取り組みの追跡・定量化」となっている。
- 世界的には、競合他社に打ち勝つために必要なテクノロジが不足していると回答した企業が、2022年の調査と比較して約2倍に増加している。
- 製造メーカ5社のうち4社は、エンド・ツー・エンドのサプライチェーンプランニング(SCP)ソリューションが依然として欠如している。
- APACの製造メーカの半数近く(44%)が、今後1年以内にスマートマニュファクチャリングを導入する予定です。このうち、中国(80%)、オーストラリア(60%)、インド(59%)は、すでにスマートマニュファクチャリングの一部のコンポーネントを使用している。
- スマートマニュファクチャリングを導入することによって軽減されることを期待する課題の最上位に、「サイバーセキュリティリスク」が挙げられている。
- APACの製造メーカがスマートマニュファクチャリングを導入する際の最大の障壁は、テクノロジの導入や変化に対する従業員の抵抗、スマートマニュファクチャリングの導入を管理するスキルの欠如、スマートマニュファクチャリングの価値/ROIの明確な定義の欠如です。
- APACの回答者が最もROIを実感したスマートマニュファクチャリングのシステムは、品質管理システム(QMS)であり、製造実行システム(MES)とエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)がそれに続いた。
- すべての回答者がスマートマニュファクチャリングの取り組みで軽減したいと考えている障害として、「サイバーセキュリティリスク」が最も高い順位にある。
- APACの製造メーカの88%が、テクノロジの導入することで雇用を維持または増加させることを予定している。また、回答者の39%が、テクノロジの利用が増加すれば、既存の労働力を別の業務に活用できると考えている。
- 94%のAPACの製造メーカが公式または非公式のESGポリシーを策定しており、そのうち48%がESGの取り組みを推進する最大の要因として「競争上の差別化要因」を挙げている。
ロックウェル・オートメーションの戦略および企業開発担当上級副社長であるヴィーナ・ラクーンディは、次のように述べています。「製造メーカは収益拡大の機会を求め続けていますが、労働力確保における不確実性が、お客様の進化するニーズに応える能力とともに、品質にも影響を与えていることを認識しています。この調査では、あらゆる規模の製造メーカが、スマートマニュファクチャリングのテクノロジを活用することで、変革を加速する、回復力と俊敏性に優れたサステナブルなソリューションの最適化を実現できることが明らかになりました。私たちが過去から何かを学んだとすれば、不確実性の時代に行動志向を持ってイノベーションに投資する組織が、競争を勝ち抜くことができるということです。」
この調査結果によると、リスクを緩和し、成長をもたらすためには、テクノロジが非常に重要です。ただし、製造メーカの三分の一では、さまざまなシステムやプラットフォームが利用できるため、却って導入するソリューションを決定できないという「テクノロジの停滞」が発生しています。目指す結果を達成するために目的に合ったソリューションを導入するためのアドバイスと指導ができる専門知識と経験を持つパートナを選択することによって、製造メーカはこのような状況を克服することができます。
「ロックウェル・オートメーションは、幅広い産業用ソリューションと優れたパートナエコシステムを組み合わせて、信頼できるアドバイザとして世界中の企業を支援しています。産業用オートメーションとデジタルトランスフォーメーションをリードする企業として、複雑なものをシンプルに、そして変革の過程にある企業を支援することに取り組んでいます」と、ラクーンディは述べています。
報告書の全文は、こちらをご覧ください。
ロックウェル・オートメーションはKnowledge Lens社の買収を発表
この買収により、ロックウェル・オートメーションはグローバルに製造業に提供する産業用AIソリューションが加速
した。同社は、デジタルテクノロジと深いデータサイエンス、人工知能(AI)、エンジニアリングの専門知識を組み合わせ、企業データから実用的なビジネスインサイトを提供するサービスおよびソリューションプロバイダです。Knowledge Lens社は、ロックウェル・オートメーションの最高峰のデジタルサービス事業であるカリプソ社に加わり、世界中のより多くの製造業者のために変革的な成果を加速させることになります。
ロックウェル・オートメーションのデジタル・トランスフォーメーション・サービス事業は、企業全体の接続性を拡張し、データ駆動型の予測的・処方的知見を可能にする需要が高まる中、最も急速に成長している事業の1つです。カリプソ社とともに、Knowledge Lens社は、データの力を引き出し、自律的な製造を可能にし、より多くの製造メーカに継続的な最適化を推進するロックウェル・オートメーションの能力を大幅に拡大します。
ロックウェル・オートメーションのライフサイクルサービス部門上級副社長であるフランク・クルシェビッチは次のように述べています。「データは、その可能性を最大限に活用することができる製造メーカにとって、非常に大きなメリットとなります。しかし、多くの製造メーカにとって、工場やサプライチェーンで生成されたデータのほんの一部しか利用されていないのが現状です。Knowledge Lens社の買収により、世界中のより多くの製造メーカがデータに隠された知見を発見し、それを活用することで、ビジネスの価値を大きく変えることができるよう支援することができるようになりました。」
Knowledge Lens社は2013年に設立され、ライフサイエンスなど規制の厳しい業界を得意とし、幅広い製造メーカにサービスを提供しています。また、Knowledge Lens社は、主要なAIおよびデジタルテクノロジを横断するオープンプラットフォームのアプローチでお客様にサービスを提供するカリプソ社の能力を拡大するものです。
Knowledge Lens社の最高経営責任者兼創業者であるスディッシュ・ナラヤナン氏は次のように述べています。「私たちは、ロックウェル・オートメーションとカリプソに加わり、よりサステナブルで回復力のある、人間中心の社会を革新し構築するための総合力を拡張できることを嬉しく思います。我々の経験を結集し、スマートファクトリ、コネクテッドワーカー、IT/OT統合、データ移行、サステナビリティ(持続可能性)などの一般的なユースケースに対応したKnowledge Lens社のプリパッケージ型クラウドネイティブなソリューションにより、市場におけるインパクトを拡大する体制が整っています。」
ロックウェル・オートメーションはマーケットアクセス担当の地域副社長としてショバン・セングプタを任命
ジョバン・セングプタが、アジア太平洋地域のマーケットアクセス担当副社長に昇格しました。彼はシンガポールを拠点とし、アジア太平洋地域担当社長のスコット・ウールドリッジの直属となる予定です。
ロックウェル・オートメーションのマーケットアクセス部門は、販売代理店、システムインテグレータ、相手先ブランド製造会社(OEM)、技術パートナと協力し、オートメーション、ソフトウェア、IIoTへの投資を最大化するソリューションの設計、実装、保守をお客様に支援します。
ロックウェル・オートメーションのアジア太平洋地域担当社長であるスコット・ウールドリッジは次のように述べています。「第4次産業革命において、企業がその可能性を最大限に発揮するためには、強力なパートナシップが必要です。私たちは、人々の想像力とテクノロジの可能性を結びつけることで、人間の可能性を広げ、世界をよりインテリジェントに、よりコネクテッドに、そしてより生産的にしていきます。当社のPartnerNetworkは、既存メンバーのスキルアップと、ソフトウェアやサイバーセキュリティなどの分野で能力を持つ新しいパートナの追加により、進化を続けています。ショバンは、急速に変化する業界の課題に対応するため、パートナの変革と成長を支援する重要な役割を担っています。」
ショバンは、2021年にアジア太平洋地域のチャネルディレクターとしてロックウェル・オートメーションに入社しました。それ以来、付加価値販売代理店、専門販売代理店、正規販売店と協働する同社のチャネル戦略をリードする重要な役割を担ってきました。Fiixの買収後、ショバンはこの地域でFiix Partner PilotプログラムとInformation Software Value-Added Resellerプログラムを実施しました。
ロックウェル・オートメーションの北米マーケットアクセス担当副社長に就任するため、最近米国に戻ったドン・シューメーカーの後任となります。
ロックウェル・オートメーションは上級副社長兼チーフ・サプライチェーン・オフィサーとしてボブ・バターモアを任命
ロバート(ボブ)・バターモアは、2月13日付で上級副社長兼チーフ・サプライ・オフィサーに就任しました。バターモアは、ロックウェル・オートメーションの会長兼最高経営責任者(CEO)であるブレイク・モレットに直属します。
バターモアは、統合サプライチェーン(ISC)組織を統括し、製造オペレーション、製造エンジニアリング、品質、調達、物流、カスタマーケアのグローバル戦略および開発を指揮する役割を担っています。バターモアは、2022年6月からISCの暫定責任者を務めてきたブラッド・スコッグマンの後任となります。
モレットは次のように述べています。「ボブは、当社のコアビジネスを成長させ、お客様のニーズに応えるために、ビジョンとリーダーシップを発揮してきました。彼の戦略的ビジョン、リーダシップの実績、チームを作り、力を与えることへの情熱、そして会社全体で仕事をする能力は、私たちの俊敏なサプライチェーン組織をリードするのに適しています。
ブラッドにはこのダイナミックなサプライチェーンの時代において、強力なリーダシップと結果を残してくれたことに感謝したいと思います。また、ブラッドが財務組織のリーダとして戻ってくることをうれしく思います。」
バターモアは、ロックウェル・オートメーションでキャリアを積んできました。1997年、オハイオ州クリーブランドのエンジニアとして、オペレーションリーダシップ開発プログラムに参加しました。その後、中国の地域担当副社長をはじめ、オペレーション管理、営業、販売管理など、責任とリーダシップの範囲を拡大する役割を担い、グローバルな業界専門知識を身につけました。直近では、インテリジェントデバイス事業部門のパワーコントロール事業担当副社長兼ゼネラルマネージャとして、グローバルオペレーションを統括し、この重要な分野の戦略的方向性を策定・実行しました。また、ロックウェル・オートメーションによるCUBIC社の買収を指揮しました。バターモアはオハイオ州立大学で機械工学の学士号を取得しています。
ロックウェル・オートメーションの情報・制御・安全ソリューションが、ペトロブラス社の新FPSO船の運用の中核を担う
要求の厳しい石油&ガスのアプリケーションでは、船舶の運用のあらゆるレベル、あらゆる段階でシームレスな統合が実現されるため、大きな成功を収めることができます。
ロックウェル・オートメーションは、ペトロブラス社のFPSO船であるP-79のオートメーションおよび統合制御・安全システム(ICSS)のサプライヤとして選ばれたことを発表しました。
ロックウェル・オートメーションとSLBとのジョイントベンチャーであるセンシアの密接なサポートと、P-79船の建造者であるサイペン社/大宇造船海洋(DSME)社との協力により、ロックウェル・オートメーションのテクノロジとセンシアのソリューションは、石油&ガス産業における実績と、相互接続の堅牢さが評価され、採用されました。
ロックウェル・オートメーションのグローバルインダストリ担当バイスプレジデントであるバリー・エリオットは次のように説明しています。「当社は、石油&ガス産業向けのオートメーションと安全ソリューションの提供において、技術と分野の両面で専門性を発揮しています。一般的な浮体式海洋石油&ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)は、15~20の主要プロセスモジュールで構成され、そのほとんどが当社のソリューションにオートメーション、プロセス、情報機能を依存していますが、P-79も同様です。当社の制御ソリューションをより高いレベルで活用することで、より高い性能を引き出し、より高い歩留まりを実現することができます。」
P-79プロジェクトの受注は、同様のP-78 FPSOプロジェクトに続くもので、こちらもロックウェル・オートメーションがオートメーションとICSSの中核を担っています。
ロックウェル・オートメーションはフォーティネット社と提携し、制御技術(OT)環境のセキュリティを確保
フォーティネット社がゴールド・テクノロジ・パートナとしてロックウェル・オートメーションのPartnerNetwork™に参加
ロックウェル・オートメーションは、広範かつ統合的で自動化されたサイバーセキュリティソリューションのグローバルリーダであるフォーティネット社が、ゴールド・テクノロジ・パートナとしてPartnerNetworkプログラムに参加したことを発表しました。
フォーティネット社とロックウェル・オートメーションは提携することで、高度なネットワーキングとセキュリティ機能の融合による強力なサイバーセキュリティ保護を世界中に提供できるようになります。制御技術(OT)と情報技術(IT)環境の違いにより、ICSシステムはしばしば異なるサイバーセキュリティリスクや独自の脅威状況に直面し、それぞれの課題に合わせたセキュリティソリューションが必要となっています。Fortinet社は、OT環境のセキュリティについて長年の経験を有しており、接続された組織のセキュリティ保護、統合、拡張を支援するソリューションを提供しています。
従来、OT企業は、セキュリティ戦略の重要な要素として「エアギャップ」に依存してきました。OTとITの間にネットワーク接続が存在しないようにすることで、ICSコンポーネントがサイバー脅威にさらされるのを減らすことができたのです。しかし、現在では、OTとITのネットワーク間のエアギャップは急速に崩壊しつつあります。フォーティネット社はOTセキュリティソリューションのリーディングベンダーとして、ロックウェル・オートメーションが世界中で進化する顧客基盤をセキュアにサポートすることを支援します。
ロックウェル・オートメーションの製品管理担当上級副社長であるダン・デヤングは次のように指摘しています。「より多くのロックウェル・オートメーションのお客様が、接続された製品やサービスが新たな収益源を提供する方法を検討しています。しかし、デジタルトランスフォーメーションへの取り組みは安全でなければならないため、目標の実現に役立つフォーティネット製品を求めているのです。当社のお客様は、特にOT環境向けに設計された統合セキュリティ製品で複雑さを軽減する方法を探しています。フォーティネット社と提携することで、お客様が必要とするセキュリティの有効性と信頼性を提供することができます。」
フォーティネット社の製品担当EVP兼CMOであるジョン・マディソン氏は次のように述べています。「企業は今後もOTとITの融合が進み、この進化は製造業のサイバーセキュリティに大きな影響を与えるでしょう。フォーティネット社とロックウェル・オートメーションのパートナシップは、お客様がデジタルトランスフォーメーションの実現を安全に歩むことを支援するものです。ロックウェル・オートメーションとの提携により、サイバー脅威にさらされる機会を減らし、セキュリティアーキテクチャの可視化と管理の一元化を支援することで、セキュアに接続された組織をサポートします。」
フォーティネット社のOT機能およびソリューションについては、こちらをご覧ください。
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