今日のバッチ生産の課題に対応するには、最新のテクノロジを活用して新たな競争上の優位性を見つけ出す最新のアプローチが必要
世の中は変化し、その結果、製造業も変化しています。今日のダイナミックな製造産業は、競争力を獲得するためにコストを管理し、リスクを軽減し、あらゆるチャンスをつかむという多数の課題に直面しています。多くの企業にとって、これは大胆なアプローチで隠れた非効率性を生産領域から駆逐しなければならないことを意味します。このためには、確かな情報に基づいた意思決定、データ主導による非効率性の公表、およびとてつもない規模のコラボレーションが必要です。実際、急速に発展する最新の技術を採用する企業は、競争上の新たな優位性を実現しています。
企業がこれらの課題に取組むにつれて、バッチアプリケーションで従来使用されていた既成のプロセスに対して、新たな最新のアプローチを検討する必要があります。硬直したシステムによって縛られた施設では、刻々と変化する装置の状態に対応できないばかりか、パイロット生産から大量生産にまで工程を拡大するにあたり、ワークフローの共通化のメリットを生かすこともできません。
価値を提供する最新のバッチシステム
それぞれのメーカは、シンプルな単槽の単一製品生産から複雑な生産システムまでの多様なバッチ処理のニーズを持っています。バッチ処理のニーズが製造メーカ間で異なる一方、メーカの焦点は同じにとどまります。つまり、確かな情報に基づいたより優れた経営判断をすることです。
テクノロジの進化によってスマート機器が新たに接続される度に、拡張する内部ソースと外部ソースの両方からチャンスとリスクが加わります。それぞれのチャンスとともに、バッチオペレーション、安全、生産性を破壊することのできる脅威が追加され、資産、機械設備、情報を守ることができる機能が追加されます。最新のバッチシステムは生産システムと設計資産、知的財産権の安全を守り、しかもプラントの稼働時間の期待値を満たすことのできるセキュリティアプローチの設計を活用しなければなりません。
データの整合性を保護しながら、システムが同時に絶え間ない改善分析のためにデータを利用できるようにする必要があります。このデータは、その後、規制および品質管理レポートで活用できます。コネクテッドエンタープライズは最新のバッチシステムにより、チャンスを十分に利用し、リスクから保護する両方の機能を全面的に組み込んでいます。
実際、最新のバッチソリューションは、コネクテッドエンタープライズの鍵を握る要素です。それは、製造工程のリアルタイムのデータを表示し、プラント全体のパフォーマンスを比較し、速やかに生産をスケールアップ、またはスケールダウンし、エネルギー消費を管理できます。コネクテッドエンタープライズは、シームレスなコラボレーションと統合を推進し、リアルタイムのデータのパワーを実現し、生産性の向上を支援します。
拡張性の実現
拡張性は、小規模なシステムと大規模システムの両方を制御できるテクノロジをサポートするだけではありません。拡張性とは、製品から始まりすべてのソリューションに適用しようと試みるよりも、むしろニーズについて理解し、適切なテクノロジを適用することです。拡張性に富むソリューションの提供は、エンジニアリングとメンテナンス費用の低減により、結果としてより生産的なオペレーションを実現できます。
ある場合には、サーバとネットワークインフラ、および関連するセキュリティニーズは、小規模システム、またはスタンドアロンシステムにバッチソフトウェアを適用するためには障害となります。こうしたインフラがない場合でも、ユーザは統合された状態モデルと状態伝播制御により確立された業界標準の制御を実装できるようにすべきです。逆に、バッチ管理モデルをコントローラに送り込むだけでは、ある程度の利点を提供できるかもしれませんが、それもまた適切なソリューションではないでしょう。
複雑なアーキテクチャ用の監視的バッチ管理システムの利点は、言い過ぎることがありません。複雑なアーキテクチャは結果として制御が複数のコントロールのいくつかのユニットに分散され、一元化されたシステムはプラットフォームを最も論理的かつ一貫して調整することができます。
先進の制御テクノロジ
最新のバッチシステムの制御システムは、プロセスが要求する場合に応答性を最大にするように設計する必要があります。状態遷移の遅延のような領域のパフォーマンス不足を許すことは、究極的に時間、製品の品質、全体的な収益性を犠牲にします。多くの場合、シーケンス制御を物理的な機器の近くに移動して、センシティブな手順をよりよく制御し、セキュリティを維持し、システムの信頼性を改善する方が好まれます。
最新のコントローラの処理能力は、初期のモデルと比較してかつてない速度と機能性を提供します。バッチプロセスでの迅速な応答や高可用性のパフォーマンスアーキテクチャのために、これらのコントローラの特性を活用しようとしている多くのアプリケーションがあります。最新のバッチソリューションは、従来はサーバクラスシステムでだけ利用できた実証済みのテクノロジや方法を放棄せずに、 位相遷移制御および状態遷移制御のためのこれらの機能を活用できなければなりません。
自社の競争上の優位性の発見
移り変わりの激しいテクノロジにより、今日の従業員に期待するものは、硬直したテクノロジの専門家からオペレーションのゼネラリストへと変化しています。最近の従業員は、直感的なワークフローをもつツールが容易に導入できることを要求します。最新のアプローチは、技術的な能力に関する課題を解決するだけでなく、生産システムのセキュリティ、整合性、および信頼性の維持も同時に行なわなければなりません。
絶えず変化する消費者需要を満たすためには、直感的にレシピやワークフローを管理し、重要な生産情報へのアクセスを提供する機能を必要とします。最新のバッチシステムは、廃棄物やエネルギー使用の削減、生産量の増大、材料の消費の最適化、高速かつ効率的な製品の切換えの実現、品質改善の推進によって競争上の優位性を発見できます。
進化したバッチテクノロジは、ワークフローを改善し、タスクでの手順のステップを減らし、設定作業を簡略化する機能を提供します。これは、設計とランタイム環境の両方で当てはまります。コードテンプレートの再使用とソフトウェアベースの変更管理ツールはもはやオプションや特典ではなく、バッチ制御プロセスの欠くことのできない一部です。ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk Batchソフトウェアは、スマートフォンからタブレットやPCまでに対応する直感的かつスケーラブルなブラウザベースのインターフェイスを提供します。ユーザはリアルタイム情報にアクセスでき、一貫したユーザインターフェイスによりプラントフロアから生産オフィスまでのプロセスとやり取りできます。
モバイルデバイスを使用したルーチンタスクの実行時間の削減により、生産環境の誰もが恩恵を受けます。オペレーションは、アラームの確認応答、手作業でのデータ入力、または基本設備の稼働のような作業を実行するのに、制御室や固定ターミナルに縛り付けられる必要はありません。システムパフォーマンスを真に最大化するためには、システムとやり取りする人々の動作と活動も最適化されなければなりません。デバイス依存のスケーラブルなグラフィック、少ないクリック数でナビゲートできるシンプルなユーザインターフェイス、グローバルな労働力のための複数の言語のサポートを使用するなどの多くの方法で、生産性の向上を達成できます。
製造メーカは、柔軟性やパフォーマンスを特定のビジネス目標や生産目標に合わせてカスタマイズできるバッチオペレーションに依存します。目標となるのは品質、配送などですが、とりわけ応答性の良さは競争上の優位性となります。ロックウェル・オートメーションのバッチ製品ラインは、柔軟な制御環境を提供するために複数のテクノロジを活用する当社独自のもので、生産の増大と収率の改善への要求を満たすことができます。最新のバッチシステムがお客様にもたらすものを見直す時期です。