シリアライゼーションの重要性
今後、何年かの間に、国際指令により、メーカは相互運用可能な電子的な方法でトランザクション情報を交換することが求められるでしょう。米国では、医薬品の品質および安全性に関する法律が2023年までに施行されます。ブラジルでは、ANVISA規則が2020年までに施行されます。欧州偽造医薬品命令が現在、2019年の終わりまで施行されています。一方、中国では、中国食品医薬品局規則が現在、施行中です。
これらを合わせれば、処方箋薬品の75%以上が2019年の終わりまでに規則によって保護されることになります。
今までは、有効期限やロットコードなどの生産関連の情報のみが製品や最終梱包に印刷されていました。しかしながら、今後は、シリアライゼーションが、異なった国際イニシアチブ間での共通の要件となり、今後の数年間で施行される予定です。シリアライゼーションは、固有のアルファベットまたは数値の識別子をすべての医薬品パッケージに販売のユニットレベルまで適用するものです。
これらの固有の識別子は、製造メーカやバッチ詳細情報などのアイテムに関するその他の情報と共にデータベースに保管する必要があります。固有のシリアルナンバーを使用することで、製造メーカから消費者にいたるまでの流通チェーンのあらゆる段階で、データベースに照らし合わせてアイテムの信頼性を確認できます。
幸いなことに、医薬品シリアライゼーション要件を満たしながら、リアルタイムの可視性が組込まれたソリューション、ISA-95証明書を実現することが現在、可能になっています。
製品追跡機能とトレーサビリティに対する包括的なアプローチ
グローバルな医薬品会社は、偽造製品、グレイマーケット製品、および盗品のために年間で750億ドルを失っていると推定されます。これに対する取り組みを手助けするために、ロックウェル・オートメーションのシリアライゼーションソリューションは、製品追跡機能とトレーサビリティに対する包括的なアプローチを採用しています。つまり、1つのアプローチで規則、製品の偽造、リコールのすべてに対処します。
このソリューションは業界標準(IEC 61131、ANSI/ISA-88、ANSI/ISA-95)に基づいて構築され、オープンなネットワークプロトコルと通信プロトコル、および市販の既成の技術を使用しています。そのため、ブラックボックス専用の制御ソリューションおよび関連するカスタムインターフェイス、ならびにそれに必要なカスタムドライバは不要になっています。
このオープンアプローチは機械製造メーカとエンドユーザの両方に、医薬品業界の現在および近く施行される規則、製品偽造、製品のリコールに対応する単一のソリューションを提供します。これは、梱包からMES、ERP、クラウドにいたるまでのすぐに使える完全なソリューション、または現在のニーズまでのスケーラブルなソリューションのいずれかです。
ロックウェル・オートメーションのソリューションは、医薬品メーカに次の5つの主要なメリットを提供します。
- スケーラブル、柔軟、カスタマイズ可能: グローバルなソリューションは、設計、納品、長期のサービスとサポートを提供できるようスケーラブルで、GS1基準に完全に適合しています。ソリューションは、どのようなカスタマのニーズにも応えられるようスケーラブルです。機械装置メーカ用の小規模のソリューションから、変化する要件に適応し、会社の成長につれて拡大していくのを手助けするフルスケールの全体的なソリューションまで対応できます。
- シームレスな相互運用性: すべてのマシンデバイス、制御システム、製造実行システム、情報およびビジネスシステム間での相互運用性があります。
- 集中データ管理: データ管理は現在のオペレーションと、法規制で求められる情報の追加レイヤにとって重要です。
- 完全なトレーサビリティ: トレーサビリティは、製造および流通から販売地点にいたるまでのサプライチェーン全体でのオペレーションで必要です。
- すぐに使用できるインテリジェンス用のコモンデータ: リアルタイムで洞察にアクセスすることにより、製造メーカは簡単にビジネスリスクを最小限に抑え、規則を遵守し、投資を守ることが可能です。