デジタル化は、企業およびサプライチェーン全体にわたるセキュアなデータフローを実現し、企業にとって生産性や品質、コンプライアンス、および収益の向上に役立ちます。また、非常に大きなチャンスを製造業に提供するとともに、その結果としてのプラントフロアから企業の基幹システムまでの全階層におけるデジタル化のレースはもう始まっています。
競争力を保つためには、コネクテッド(接続すること)が不可欠です。スマートマニュファクチャリングは、企業とそのオペレーションを劇的に変貌させます。ただし、チャンスの拡大とともにリスクも増大します。オペレーションの接続性が高くなればなるほど、産業用セキュリティの脅威に対してより多くの潜在的な侵入ポイントが生み出される可能性があります。
サイバーセキュリティに対して包括的なアプローチを取ることは、特に今日の急速に変化しているデジタル製造環境において決定的に重要となります。包括的な産業用セキュリティは、工場レベルから始まり個々のあらゆるエンドデバイスを網羅して企業全体に及びます。
堅牢でセキュアなOTネットワークに接続されたスマート産業デバイスは、従来のITマネージャのコンフォートゾーン(既知の領域)の範囲外となることがあるため、その導入にあたってはOTとITの両方の専門的な知識や経験を提供できるベンダーを検討する必要があります。ITの経験を有するベンダーは数多く、OTの知識を有するベンダーも相当数存在しますが、両方の経験を有するベンダーを探すことは容易ではありません。そのため、非常に客観的な判断を下すことが必要となります。
今回の「Automation Today Asia Pacific」では、最新技術やサイバーセキュリティ、およびデジタルエンタープライズに関する業界の見解について深く掘り下げてご紹介します。また、拡大する接続性によってもたらされるリスクから企業を保護すると同時に、デジタル化の利点を活用する方法についての記事も掲載しています。
本号ではお客様のことを念頭に置いた以下の項目に重点を置いています。
- スマートマニュファクチャリングのセキュリティ
- 変わりつつあるセキュリティリスクとその対処法
- スマートマニュファクチャリングへの段階的なガイド
また、最新の製品やテクノロジ、最近の企業ニュース、イベント、および当社がお客様のアプリケーションの課題解決をどのように支援しているかをご紹介する客様の事例も掲載しています。
デジタルトランスフォーメーションを前進させるテクノロジとして、スマートマニュファクチャリングはますます高度化し、新たなセキュリティ上の脅威が出現することも予想されます。
サイバーセキュリティには積極的かつ包括的なアプローチが必要です。そのため、2018年の最後に当たり今回の「Automation Today Asia Pacific」をご一読いただき、デジタルエンタープライズのセキュリティの重要性について議論を続けていただければと思います。
2019年が素晴らしい一年になることを願っています。