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Automation Today第60号: 特集記事

プレミア統合の体験

競合他社に先んじて、そのポジションを維持するためには、市場導入期間の短縮がカギとなります。

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時は金なりと言いますが、新しい機器の導入や旧式の機器の入換えは複雑で時間のかかるプロセスです。これに加え、労働力の世代交代に伴う課題があります。経験豊富なスタッフが退職すれば、彼らの知識を次の世代に継承することは困難です。また進歩と進化を続けるテクノロジに遅れをとらないようにしなければなりません。

製造メーカからエンドユーザまでのサプライチェーン全体で、全員が効率と効果を高める努力を実施しています。パフォーマンスを最適化するために、アーキテクチャとそのコンポーネントの両方を適切に設計する必要があり、また、資源の割当てを効率的に行なう必要があります。より単純で包括的な統合によって、機械メーカは開発期間とコストを監視しながらより高いレベルで複雑性と接続性を統合することができます。
 

機械設計および構成の簡略化

産業オートメーション生産システムおよび情報システムが複雑化の一途をたどる中、機械設計および構成段階を含む生産工程のすべての側面で、生産性がさらに重要性を増しています。

装置およびシステムを手動で統合し構成する従来の労働力集中型のアプローチは、間違いなく時間がかかり、コストがかさむ上、今日の製造メーカのニーズに対して直感的に相容れません。

競合他社に先んじて、そのポジションを維持するためには、市場導入期間の短縮がカギとなります。1からシステムを構築する、または既成のコンポーネントに付きものの互換性のリスクに対処する時間的な余裕はありません。

企業が複数のベンダーの装置を使用する場合、しばしば装置との通信を確立し、相互に協調して動作させることに苦労します。そのような面倒な問題が、エンジニアリング時間の拡大とコスト増という結果につながる場合があります。それ以外にも、将来的に制御システム内のたくさんの装置のメンテナンスの課題が持ち上がる可能性があります。

オペレーションの同期を進めるだけでなく、効果的なエンジニアリングを実行するために、製品を設計し、構成する上で、コントローラと装置をさらに統合することが特に不可欠です。
 

プレミア統合の体験

ロックウェル・オートメーションは、次のレベルのコントローラと装置の統合を示すため、プレミア統合体験を導入しました。単にプロセス、パワー、情報および安全を1つの制御アーキテクチャに接続するのではなく、プレミア統合はシームレスな統合を実現し、ネットワークに接続されたあらゆるオートメーションシステムのシステム設計、メンテナンス、および動作を単純化し合理化することで、頻繁に発生する反面、重大な運用上の課題を解決します。

Logixベースの制御アーキテクチャとインテリジェントなAllen‑Bradleyの装置で基本が構成されるプレミア統合は、コントローラ、装置、モータ・コントロール・センタ(MCC)およびソフトスタートなど豊富なロックウェル・オートメーションの専用制御システムのエレメントの中でも独自なものです。

コントローラのプログラミング、装置の構成およびメンテナンス管理プロセスのすべてを1つのソフトウェア環境で実行することが、プレミア統合のもうひとつの決定的な特長であるということができます。

このような能力により、製造メーカやエンジニアは統合を簡単に行ない、開発期間を短縮し、情報の可視化と製造運用の生産性を高めることができます。これは、現在、必要とされているのが、 多数の異なる装置を利用する一元管理のインテリジェントなプラットフォームであるためです。

スマートマニュファクチャリングの世界の課題を克服し、コネクテッドエンタープライズ

を確立するには、効果的かどうか同じくらい柔軟性と応答性が重要です。

多数のスマートツールおよびソフトウェアを取得したロックウェル・オートメーションは、メンテナンスおよびトレーニングを含む総所有コストを削減するお手伝いをしながら、機械装置メーカ(OEM)にプレミア統合体験と、変化する市場および事業のニーズにより迅速に対応する能力を獲得するチャンスをもたらします。

プレミア統合体験の利点

調査: プレミア統合体験の利点

TechValidate社による最近の調査では、産業用製造メーカは、PowerFlexドライブ、Studio 5000ソフトウェア、およびLogixベースコントローラの統合ソリューションを使用する利点について質問されています。

回答者の64%がロックウェル・オートメーションの統合プログラミング体験によってエンジニアリング時間が短縮し、63%が診断の向上を達成しています。この結果は次のグラフに示されています。
 

統合テクノロジの進歩

技術の統合は進化を続け、速いペースで進歩しています。産業用オートメーション装置が、ますますデジタル通信に依存するようになるにつれ、プロジェクトの成功は、デジタルネットワークでデータを交換するために装置およびコンポーネントがどれだけ簡単に構成できるかに大きく左右されるようになってきました。

今日のスマートマニュファクチャリングの世界では、プレミア統合は、機械装置メーカ(OEM)に事業を強化するための従来の統合アプローチにかわる手段を提供することができます。テクノロジの統合が時間とともに進化するにつれて、機械メーカにとって最新の高度な統合テクノロジを取り入れることがますます重要になっています。

共通のプラットフォームでの構成およびプログラミングは、時間とコストの節約に役立ちます。直感的でユーザフレンドリなStudio 5000ソフトウェアを使用すると、工場全体のアプリケーション、オペレーションおよび環境で1つの制御エンジンと1つのネットワークテクノロジを使用して、可変周波数ドライブ(VFD)、モーション、安全およびプロセスを1つのインフラに統合することができます。

これは、複数の設計アプリケーションのデータ、タグおよびアラームを共有する標準化された方法を提供するため、エンジニアは情報を一度構成して、それをオートメーションシステム全体で使用することができます。同様に、制御および視覚化のための複数のツールを使用するのではなく、オートメーションシステムのすべての要素を1ヶ所で構成することができます。

システムが運用可能状態になったら、オペレータとメンテナンス技術者は、すべてのシステムコンポーネントを一箇所から一元的に確認できるため、簡単に装置を再構成し、トラブルシューティングし、情報にアクセスすることができます。産業用共通プロトコル(CIP)は、制御、装置の構成およびデータ収集のための工場全体の通信を実現するアプリケーション・レイヤ・プロトコルです。CIPに基づき、EtherNet/IPがドライブおよびサーボドライブの両方のリアルタイムの定時的制御を可能にします。

Logixベースコントローラの同期機能を組合せて、複数のモータを正確に協調させることが可能です。これらの専用アプリケーションの資源は、ネットワークを介した同期をサポートする専用のデバイスに依存しないプロファイルを有するACおよびサーボドライブで利用できます。プログラミングが不要で、毎回変更やり直す必要がなくなるため、エンジニアの作業がより簡単になります。

統合の複雑性を減少させるだけでなく、プレミア統合は次に示す多くの点でエンジニアリング時間を短縮し関連するコストを削減することができます。
 

装置のマッピングと構成

Logixベースのコントローラは、専用のAllen‑Bradleyのコンポーネントを認識し、自動的にそれらのデバイスプロファイルをインポートします。Allen‑BradleyのPowerFlex ACドライブ

を統合する場合、エンジニアは専用モジュールを選択するだけで、Studio 5000ソフトウェアが自動的にすべてのドライブパラメータを読込みます。

エンジニアが手動でパラメータ番号と説明を関連付けたり、電源や電圧などのドライブの詳細情報を入力する必要がないため、装置のマッピングがより簡単になります。単一のソフトウェア環境を使用し、単一の場所からコントローラおよびドライブのネットワークコネクションを構成するため、高価な開発エラーを削減したり、入出力(I/O)の不適合エラーをなくすことが可能です。
 

装置の複製

Studio 5000ソフトウェアのコピー&ペースト機能によって、構成済みの装置に類似した装置を追加統合する時間が節約できます。複製された装置が同じプロジェクトで必要な場合、エンジニアはオリジナルをコピーするだけで、追加の装置ノードを作成できます。Studio 5000ソフトウェアは、コピー&ペーストの作業でオリジナルのドライブから新規のドライブに説明タグ名および構成設定を自動的に転送します。
 

タグのエイリアス

Logixベースのアーキテクチャ内で、エンジニアは物理的なハードウェアの準備ができる前に意味のあるタグ名を使ってプログラム全体を書くことができ、その後、物理的モジュールとターミナル情報を割付けることができます。このようなタグのエイリアス機能は、配線図が準備できる前にプログラムを開発する場合によく用いられています。これは、並行開発を可能にし、プログラマは設計エンジニアリンググループが電気的なレイアウトを完了するまで待つ必要がありません。このため、製品設計の市場到達時間をスピードアップできます。
 

ライブラリ管理

プレミア統合の必須のエレメントとして、ライブラリ管理を使ってエンジニアがプログラムのコードを効率的に保管し、再利用できます。これにより、開発期間が節約でき、同時に成功したプロジェクトの成果を活用することができます。プロジェクトのコードは、将来のプロジェクトで再度使用する、または同様の用途での新たな企業標準を確立するために、コードライブラリにエクスポートできます。エンジニアがライブラリのコンテンツを再利用したい場合、いつでもコードをライブラリから新規プロジェクトにドラッグするだけでいつでも使用できます。

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自己とシステムを認識するスマートデバイス

オートメーション制御システムやネットワークに簡単に統合できるスマートデバイスの進歩により、機械の設計方法がさらに簡略化されました。この統合は、オペレーションに可視性を提供し、効率を向上させることができます。この情報をより良い意思決定に利用でき、それによりシステムまたはプロセスを改善し、デバイスおよび機械のパフォーマンスをモニタし、生産性を維持することができます。

自己認識とシステム認識に加え、スマートデバイスはシームレスに統合され、適切なデータを提供する必要があります。スケーラブルなコンピューティング、分析、モビリティなどの今日のテクノロジによって拡張された自己認識とシステム認識が可能なスマートな資産は、当社の高性能アーキテクチャの基礎を形成します。

これらの各技術は産業プロセスに価値を追加することができますが、転換された価値はそれらが1つのアーキテクチャに統合された場合のみ価値を生み出します。それはすべてシームレスな接続性にかかっています。アーキテクチャの転換された価値は、直感的で自己適応型のセキュアなオートメーションシステムの導入によってもたらされます。当社はプレミア統合に共通のEtherNet/IPバックボーンを活用して分析プラットフォームと連携するとともに、すべてのロックウェル・オートメーションの機器(コントローラから可変周波数ドライブ、サーボドライブまで)で共通の一貫した体験を提供します。

ますます多くの自己認識およびシステム認識装置がオートメーションシステムに統合されるのと同時に、分析の重要性が増え続けています。これらの機器は、データを取得および処理し、自己診断やエネルギー使用量などの情報を報告します。プレミア統合によって、ユーザはFactoryTalk Analytics for Devicesに容易に統合することができ、オペレータは困惑することなくデータを目で見て理解することができます。
 

モビリティと視覚化

大手の産業用メーカは、視覚化を使用して意思決定と運用効率を向上させ、重要な生産、プロセス情報および企業データへの洞察を提供しています。産業用ソフトウェアは、ビジネスおよびプロセス情報の表示をオフィスや機械、自宅または任意のモバイルデバイスから作成したり、変更、パーソナライズ、およびアクセスすることができるようになりました。

デバイスに表示されるソフトウェアのダッシュボードは、ユーザが必要とする特定の情報を含むようにパーソナライズすることができます。ユーザはいつでもどこからでも履歴およびリアルタイムのデータレポートにアクセスすることができます。

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まったく新しい統合された世界

コントローラ装置の統合の改善によって、機械装置メーカ(OEM)はスマートマニュファクチャリングに一歩近づき、効果的な接続性を実現することでスマートマシンおよびオートメーションシステムを設計することができます。効果的なレベルの統合により、コントローラとデバイス間のネットワーク内での機能的接続性を確立する一方、冗長プログラミングを緩和します。

さらにプレミア統合は、エンジニアに他にない統合および構成体験を提供し、オペレータと技術者により生産的かつ利益を生むよう機械を稼働し続けるために必要なセキュアで正確な情報が入手できることを約束します。よって、あらゆる情報を使って機械レベルから企業レベルまで、より優れた意志決定を下すことができます。

市場投入時間の短縮を実現するレースはすでに始まっており、これは生産性と収益性の向上にもつながります。この目標を達成するため、産業用メーカは接続された情報対応の企業を実現するための新技術が提供する利点を活用しています。プレミア統合の体験により、ユーザはコネクテッドエンタープライズのオートメーション資産をシームレスに設計、立上げ、維持、保護することができ、その結果や状況を報告できるようになります。

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