この10年ほどの間に、EtherNet/IPやモノのインターネット(IoT)などを実現する技術は、機械装置メーカ(OEM)が複雑さを軽減し、真の情報対応機械を実現することに貢献しています。今日、スマートマニュファクチャリングや産業用のスマートオペレーションでは新たな方法を積極的に採用しています。この新たな動向では、デバイスおよびプロセスは、継続的にモニタおよび最適化できるように高度に接続されています。
スマート生産は、情報の島々を1つにつなぐことによって生産とサプライチェーンを最適化することを目指して、エンドユーザに新たな機会をもたらそうとしています。IoTなどの技術の進歩は、デバイスをさらにスマートにすることを可能にし、ネットワーク、統合、診断およびインテリジェンスに対するエンドユーザの要求を満たすことを可能にしています。
電気モータは、産業アプリケーションでのエネルギー消費の主要要因の1つであり、世界の電気エネルギーの約4分の1を消費しています。この膨大な生産コストを削減しようと、ますます多くの産業用メーカが可変周波数ドライブ(VFD)を設置して装置やコンプレッサを含むあらゆるものを制御しようとしています。
可変周波数ドライブは、あらゆる産業分野に利点をもたらします。低圧可変周波数ドライブはモータ速度を要求に合わせて調整することができるため、油圧または空圧ドリルシステムを含む、高需要産業またはアプリケーションで有益です。省エネルギーの最大の利点の一部は、高需要またはエネルギー集約型アプリケーションや金属または鉱業分野で使用される機械類、廃水処理プラント、クレーンおよびホイスト、遠心分離機、タイヤ&ゴム、石油&ガスなどで発生します。これらのアプリケーションでは、低圧ACドライブはモータ速度とトルクを制御し、機械に対する機械的なストレス破壊を軽減します。
自己認識によるダウンタイムの低減
ネットワークおよび通信技術の進歩の結果、モータやドライブは統合および接続性が向上しつつあります。今日、予測分析を搭載したドライブは、かなりの程度で予期しないダウンタイムを防止します。例えば、ドライブにはオーバーヒートを防止する冷却ファンが組み込まれています。冷却ファンの1つが停止すると、ドライブはオーバーヒートし、予期しないダウンタイムを引き起こします。
TotalFORCEテクノロジは、ファンの予測寿命をモデル化することによってこの問題を解決します。この分析モデルは単なるカウンタではありません。測定された周囲温度(センサがドライブモジュールに組み込み)と測定されたファン速度を考慮にいれます。ファン速度の低下は、ファンのベアリングが故障しつつあることの指標です。
予知保全モデルは、ファンが予測寿命のある一定の割合(%)に達すると(デフォルトは80%)、EtherNet/IPを介してその情報を制御システムに通知します。
接続されたシステムはメンテナンスチームに、次に予定されているメンテンナンスのための停止期間にファンを交換するように通知します。これにより、予期しないダウンタイムが発生することを防止します。さらに、接続されたシステムを利用して、自動的に交換部品の在庫をチェックし、注文することもできます。
TotalFORCEテクノロジは、高性能なモータ制御、高度な自己モニタ機能および現在のデジタルプラットフォームを結合して、より高速で高精度な応答性の高いACドライブを実現します。