機械の状態や生産状況の情報に対しての要求がますます大きくなるとともに、産業用のスマートデバイスが必要とされるようになりました。スマートデバイスは、スマートマシンに不可欠なコンポーネントであるとともに、動作データを捕捉するための第一段階でもあります。スマートデバイスによって、よりスマートな情報に基づいた判断を下せるようになります。
2020年までには、メーカが社内で使用するコネクテッドデバイスが500億台を超え、多くの産業用モノのインターネット(IIoT)アプリケーションがそれらのデバイス上で動作することになります。デジタルトランスフォーメーションのペースが上昇する中、製造メーカは新しいスマートデバイス、機械、装置に投資して競争力を維持する必要があります。
なぜスマートデバイスで生産性を向上できるのか?
スマートデバイスのおかげで製品の品質が改善し、ダウンタイムが短縮します。よりスマートな機械への投資は将来においても有効で、さらにスマートなマニュファクチャリングが可能になります。
1. 機械の健全性のモニタ
スマートデバイスは、機械の健全性を可視化できます。リアルタイムの診断データを生成することで、問題の領域が特定され、パフォーマンスの傾向が明らかになり、ローカルとリモートのダッシュボードを介してその情報が伝達されます。必要な情報を取得して、適切な意思決定をしたり、生産工程を最適化したりすることができます。
2. 稼働時間の増加
予知サービスにより、必要なメンテナンスは最小限になり、機械の可用性は大幅に高まります。EtherNet/IP接続の状態基準監視と電子的な過負荷保護の組合せにより、非常に正確で信頼性の高いモータデータが提供されます。その結果、製造業務全体で設備資産利用率が大きく改善します。
3. 製造の機動性の改善
スマートデバイスを使用すれば、新しい機械をさらに効率的に立上げることができます。自動デバイス構成のダウンロードにより、数分ではなく数ミリ秒の単位でスマートデバイスは構成されます。問題が発生しても、最大90%も短時間で解決されるため、中断やダウンタイムは最小限になります。プラグ&プレイデバイスと複数のセンサプロファイルにより、柔軟なスマートマニュファクチャリングでは、生産をすぐに切換えることができます。
4. 安全と生産性の向上
製造システムでの最重要課題は安全と制御です。生産工程で問題が発生したとき、システムが安全だとみなされて初めて、オペレータは機械や機器にアクセスして問題を解決できるようになります。操作はすべて自動的に記録されるため、履歴データをアプリケーションの調整に使用して効率を改善し、問題を減らすことができます。
5. 総所有コストの低減
ロックウェル・オートメーションの単一ソースソリューションは、一貫した直感的なプログラミング環境を提供するため、複雑さが軽減されるとともに、トラブルシューティングが簡略化されます。統合スマートデバイスでは、生産性と柔軟性が向上し、ダウンタイムが最小限に抑えられ、総所有コストが削減されます。
よりスマートになったセンサ
工場に設置された機械で何が起こっているのかを分刻みで把握していない限り、最適な生産性や効率性を常に維持したり、予期しないダウンタイムや生産ロスを回避することは不可能です。
従来のセンサが提供できる情報量は限られており、コントローラと診断データやパラメータデータを交信する機能もありませんでした。統合スマート・センサ・ソリューションは、企業状態の全体像を把握するのに必要なすべてのデータをいつでも提供できます。コネクテッドエンタープライズの主要コンポーネントであるスマートセンサは、スマートマシンの導入や運用を容易にし、効率性と生産性をさらに向上させることもできます。
スマートセンサは異種のデータをすぐに使用できる情報に統合し、資産のモニタや最適化をどこからでもリアルタイムで行なえるようにします。ロックウェル・オートメーションは最近、コネクテッドエンタープライズに生データを提供する、統合制御機能および情報の基礎とも言えるスマートセンサの製品ラインを拡大しました。
新しいAllen-Bradleyの42AF RightSight M30光電センサは、スマート検知製品ラインに追加された最新の製品です。小型で直角のハウジングを採用したRightSight M30は、耐環境性能と長距離検出機能が向上しており、要求の厳しいさまざまなアプリケーションで必要とされる柔軟性とパフォーマンスを提供します。
ロックウェル・オートメーションの製品マネージャであるアドニス・エヴァンジェリスタは、次のように述べています。「当社の新しい光電センサは、塵や望ましくない粒子がセンサレンズ上に堆積するような過酷な環境でも高い信頼性で動作するよう開発されました。」
耐久性の高い直角のハウジングには、汎用30mmノーズと18mmベースマウントが採用されており、柔軟に取付けることができ、容易に交換できます。RightSight M30は、完全密閉されたIP67/IP69k/1200 psi定格のハウジングにより、高圧かつ高温のウォッシュダウンが使用されるような過酷な産業環境にも耐えられます。このセンサにはマルチ検知モードが搭載されており、使い方が簡単で、調整不要なモデルや、ボタンを押して感度や出力を設定できるティーチ可能なバージョンも用意されています。
また、内蔵されたIO-Link機能によってセンサからのデータや診断を制御システムに直接送信することで、コネクテッドエンタープライズに簡単に統合できるため、ダウンタイムの短縮や生産性の向上につながります。センサのこの機能によって、運用効率向上とトラブルシューティングを容易にするのに役立つ信号強度、場所、近接アラーム、およびタイミング機能などの情報が提供されます。
圧力、温度、モーション、距離、レベル、流量などのあらゆるパラメータに対応したスマートセンサこそ、プロセスの包括的な把握を可能にします。現在のセンサの状況および状態を知ることで、発生する可能性があるセンサのあらゆる問題を適切に特定することが可能になります。
統合スマート・センサ・ソリューションの導入により、5~10%以上の生産性の上昇を見込めます。また、スマート安全ソリューションと組み合わせることで、この生産性の数値はさらに増加します。
完璧なパートナシップ: スマートセンサとスマート安全
スマート安全デバイスは作業員、機械、およびプロセスを保護しつつ、コネクテッドエンタープライズに生データを供給します。スマートセンサは、工場フロアの安全データをすぐに使用できる情報に統合し、資産のモニタや最適化をどこからでもリアルタイムで行なえるようにします。
リアルタイムデータへのアクセスやシームレスな接続性は、生産環境を大きく変化させます。スマートな機能によって、エンドユーザは効率の改善、製品品質の向上、より機動性のあるオペレーションが可能になります。また、スマート安全は機械や安全制御の標準化に貢献します。こうしたシステムは、面倒なシャットダウンの影響を受けにくいため、生産性と収益性が向上します。
最新のライト・カーテン・システムであるAllen-BradleyのGuardShield 450Lセーフティ・ライト・カーテン・システムには、ロボットのワークセルやその他の危険な機器周辺を保護する画期的なトランシーバテクノロジが採用されています。
ロックウェル・オートメーションのセーフティ・ライト・カーテンのグローバル製品マネージャであるマンフレッド・スタインは、次のように述べています。「ユーザは新しいライト・カーテン・システムの大きなメリットを製品のライフサイクルを通して実感することができると思いますが、特に設置のしやすさと操作性が際立っています。」
新しいGuardShield 450L-Eの内蔵レーザ・アライメント・システム(ILAS)は、スティックのフロントウィンドウに表示されるILASのシンボルを触るだけでセットアップの最適化が可能な、複数の可視レーザポイントによって設置時間を短縮します。使用開始後は、カスケーディング、内蔵ミューティング、ブランキングなどの高度な特長と機能を活用することで、最高レベルの安全性を維持しながら高い柔軟性を発揮します。
GuardShield 450L-Eライトカーテンの高度なミューティングやブランキング機能は、専用のプラグインモジュールに搭載されたDIPスイッチによって簡単に設定できます。一般的なミューティングのセットアップである4センサや2センサ、L構成やT構成、オーバライド機能の他、低分解能や固定ブランキングでのティーチも選択できます。
スマート安全とスマートセンサにより、機械や機器をよりスマートにすることが可能です。また、安全性能と動作データを活用することで、安全に関するコンプライアンスとパフォーマンスを大幅に向上させることができます。運用データや安全システムデータにアクセスし、そのデータを意味のある情報に変換すると、機械の生産性が向上し、ダウンタイムが短縮されます。
インテリジェントなデバイスを使用したスマートなコネクテッドシステムにより、運用や保守が容易になり、稼働時間が長くなります。スマートデバイスを使用してお客様の機械と機器をよりスマートにすることで、よりスマートでよりデータ駆動型の製造業者へと変身できます。テクノロジの急激な進歩にともない、スマートマシンとスマート機器の統合によるメリットも飛躍的に増加しています。お客様の会社は、スマートマニュファクチャリング企業への道をどこまで進んでいますか?