世界的な調査により、スマートマニュファクチャリング技術がデータインサイトの最大化、人材の獲得、サプライチェーン、品質、サイバーセキュリティのリスクの最小化に与える影響が明らかになりました。
産業オートメーションおよびデジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダであるロックウェル・オートメーション(NYSE: ROK)は、第8回「スマートマニュファクチャリングの現状報告」の結果を発表しました。この調査は、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国を含む主要製造国13カ国の1,350社以上の製造メーカを対象に実施されました。
今年の報告書では、品質を犠牲にすることなく収益性の高い成長を目指すこと、データが持つ真のポテンシャルを活用することが重視されており、レジリエンス(回復力)を高め、素早い対応を実現し、サステナビリティ(持続可能性)を向上させ、労働力の課題に取り組むためのテクノロジの導入が増えていることが明らかになりました。
主な調査結果は以下の通りです。
- 「品質と成長のバランス」と「サステナブル(持続可能)な実践の追跡または定量化」は、2022年の新技術の展開と統合と比較して、アジア太平洋(APAC)地域の製造メーカの今年の進歩を阻害する最大の社内障害である。
- 世界全体では、競合他社に打ち勝つために必要なテクノロジが不足していると回答した企業が、2022年の調査と比較して約2倍に増加している。
- 製造メーカ5社のうち4社は、エンド・ツー・エンドのサプライチェーンプランニング(SCP)ソリューションが依然として欠如している。
- APACの製造業者の半数近く(44%)が、今後1年以内にスマートマニュファクチャリングを導入する予定である。このうち、中国(80%)、オーストラリア(60%)、インド(59%)は、すでにスマートマニュファクチャリングの一部のコンポーネントを使用している。
- APACの製造メーカがスマートマニュファクチャリングを採用する際の最大の障壁は、テクノロジの採用や変化に対する従業員の抵抗、スマートマニュファクチャリングの導入を管理するスキルセットの欠如、スマートマニュファクチャリングの価値/ROIの明確な定義の欠如である。
- 品質管理システム(QMS)は、APACの回答者が最大のROIを得ることができたスマートマニュファクチャリングのシステムであり、製造実行システム(MES)とエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)がそれに続く。
- スマートマニュファクチャリングを導入することによって軽減されることを期待する課題の最上位に、「サイバーセキュリティリスク」が挙げられている。
- APACの製造メーカの88%は、テクノロジ導入により雇用を維持または拡大する予定である。さらに、回答者の39%は、テクノロジ利用の増加により既存の労働者を再利用できると考えている。
- 公式または非公式の環境・社会・ガバナンス(ESG)方針を導入しているAPACの製造メーカの94%のうち、半数近く(48%)がESGイニシアチブを推進する最大の要因として「競争上の差別化要因」を挙げている。
ロックウェル・オートメーションの戦略および企業開発担当シニア・バイス・プレジデントであるヴィーナ・ラクーンディは、次のように述べています。「製造メーカは収益拡大の機会を求め続けていますが、労働力確保における不確実性が、お客様の進化するニーズに応える能力とともに、品質にも影響を与えていることを認識しています。この調査では、あらゆる規模の製造メーカが、スマートマニュファクチャリングのテクノロジを活用することで、変革を加速する、回復力と俊敏性に優れたサステナブルなソリューションの最適化を実現できることが明らかになりました。私たちが過去から何かを学んだとすれば、不確実性の時代に行動志向を持ってイノベーションに投資する組織が、競争を勝ち抜くことができるということです。」
この調査結果によると、リスクを緩和し、成長をもたらすためには、テクノロジが非常に重要です。ただし、製造メーカの三分の一では、さまざまなシステムやプラットフォームが利用できるため、却って導入するソリューションを決定できないという「テクノロジの停滞」が発生しています。目指す結果を達成するために目的に合ったソリューションを導入するためのアドバイスと指導ができる専門知識と経験を持つパートナを選択することによって、製造メーカはこのような状況を克服することができます。
「ロックウェル・オートメーションは、幅広い産業用ソリューションと優れたパートナエコシステムを組み合わせて、信頼できるアドバイザとして世界中の企業を支援しています。産業用オートメーションとデジタルトランスフォーメーションをリードする企業として、複雑なものをシンプルに、そして変革の過程にある企業を支援することに取り組んでいます」と、ラクーンディは述べています。
報告書の全文は、こちらをご覧ください。
調査方法
この調査は、調査会社であるSapio Research社とロックウェル・オートメーション傘下のPlexが共同で実施し、製造業が発展している上位13カ国の1,353社を対象に、管理者から経営幹部の役職の回答者から頂いた意見を分析しました。調査対象は、ディスクリート産業、プロセス産業、および両方を兼ね備えた産業の製造業で、収益が1000万米ドル規模から100億米ドル以上の規模までバランスよく分散されており、幅広い視点を提供しています。
公開 2023/03/14