お客様へのご提案
課題
- バラット・フォージ社は、エネルギー使用量、ピーク負荷の軽減、エネルギーコストの低減、および製品当たりのエネルギーコストにフォーカスした新しい鋳造所向けに最新の統合されたエネルギー・モニタ・ソリューションを必要としていました。
ソリューション
- Allen-BradleyのCompactLogixプログラマブル・オートメーション・コントローラ
- Allen-BradleyのPOINT I/O
- FactoryTalk Vantage Point
- FactoryTalk Historian
- サービスサポート&トレーニング
結果
- 1つの生産領域から開始し、実装されたインフラに資産を継続的に追加できるスケーラブルなソリューション
- ピーク負荷と関連コストの特定と軽減
- もっともエネルギーを使用する資産の見極め
- 生産資産当たりのエネルギーコストのマッピング
- エネルギー使用量に関するデータを取得して分析するための、継続的で安定したプロセスの作成
背景
バラット・フォージ・アルミ技術(バラット・フォージ)社はドイツ東部のザクセン州に所在し、自動車産業向けの革新的なアルミニウム鍛造ソリューションを提供し、製品やサービスを最高の顧客満足度で継続的に改善することを目指しています。
同社は1996年にcdp Aluminiumtechnik GmbH & Co. KGとして設立され、8年後にBharat Forge Ltd. (バラット・フォージ)社に引き継がれました。バラット・フォージ社は、世界中に10,000人を超える従業員を擁する年間売上高25億米国ドルの複合企業であるカルヤニ・グループの一員です。
2016年に、バラット・フォージ社は、最高品質のクランクシャフトとフロント・アクスル・ビームの国際的供給に対して、「Daimler Supplier Award 2016 - Global Procurement Trucks and Buses」を受賞しました。
課題
バラット・フォージ社は、2013年にドイツ東部のブランド・エルビスドルフにある生産拠点に新しい鋳造所を建設する予定でした。バラット・フォージ社のような大量のエネルギー利用者のために認められなければならないエネルギー管理システムの使用が必要とされて以来、現行のプラクティスを置き換えるための効率的で最新のサステナブルなエネルギー管理ソリューションを求めることが決定されました。これには施設全体での計測器データの手作業による収集を含んでいました。
ピーク負荷を軽減し、エネルギーコストを削減し、製品当たりのエネルギーコストを定義するために、もっとも多くのエネルギーを使用する資産に関するリアルタイムの情報を提供するソリューションの実装にフォーカスしていました。もう1つの重要な側面は、エネルギー使用量の文書化と、迅速かつ効率的な意思決定を可能にする適切かつ実行可能な報告書の入手可能性に関するさまざまな法的要件に対応することでした。
さらに、エネルギー報告はほとんど自動化され、手作業でのデータ入力から、不必要なエネルギー使用を定義し緩和し、トラブルシューティングを改善することへと焦点が移りました。バラット・フォージ社にとって、今後は、外部機関ではなく自社スタッフが簡単に管理できるシステムを使用することも重要でした。
エネルギー管理システムの導入中に、バラット・フォージ社の意思決定者は、需要の増加やその他の変更により、最初の決定を再検討し、分析と報告の面でエネルギー管理よりもはるかに多くを行なうことができるシステムの探索へと拡大しました。これを行なうために、新しいシステムは、さまざまなタイプの計測(ガス、水、電気)だけではなく、異なるフィールドバスシステムとプロトコルも処理できなければなりませんでした。
最終的には、ロックウェル・オートメーションのハードウェアとソフトウェアのオートメーションコンポーネントで構成されたソリューションを採用することになりました。
ソリューション
バラット・フォージ社は、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® Historianアプリケーション、FactoryTalk VantagePoint® EMI、Allen Bradley®のCompactLogix™コントローラ、およびAllen-BradleyのPOINT I/O™モジュールから構成されるシステムがもたらすメリットに感銘を受けました。これらには、高い柔軟性、使いやすいレポート機能、リアルタイムデータ分析へのWebベースのアクセス、さまざまなシステムへの接続性、および既存のインフラの使用が含まれていました。
バラット・フォージ社は新設の鋳造工場で分析とレポート機能を備えた新しいエネルギー管理システムの導入を開始しました。新しいシステムに慣れ、必要な場所で調整を行ない、その扱いについてスタッフをトレーニングできるように、スケーラブルな段階的なアプローチを選択しました。
ロックウェル・オートメーションのサービスチームは、必要なハードウェアがすべて設置した後に、計測器とコントローラ間のデータ通信が意図した通りに機能していることを確認しました。
次のステップは、生産データを分析、アーカイブ、および視覚化するために使用するソフトウェアのインストールです。多様なエネルギーメータからのデータは、さまざまなプロトコル(Modbus、Mbus)を介してCompactLogixコントローラに送信されます。それから、このデータはFactoryTalk Historianソフトウェアに転送され、FactoryTalk VantagePoint EMIを介して視覚化されます。
計画中に、バラット・フォージ社はロックウェル・オートメーションに、どのような種類のレポートが求められているかを明記しました。ソフトウェアツールをインストールするとき、これらの要件はカスタマイズされたレポートテンプレートで実装されました。
最後に、FactoryTalk HistorianとFactoryTalk VantagePointでデータ統合が開始されましたが、バラット・フォージ社のスタッフは現在使用していた強力な分析とレポート作成ツールを最大限に活用して適用し、新しいオートメーションの投資を最大限に活用する方法についてトレーニングを受けました。
結果
分析とレポートの面でより多くのことを行なえるロックウェル・オートメーションのエネルギー管理システムを導入したことで、バラット・フォージ社はそのすべての要件を実現することができました。ほとんどのエネルギー、最も明らかな3つの炉を使用する資産を明確に定義できただけでなく、3つの炉のすべてが最大温度で動作しているときの潜在的なピークエネルギー使用量に大きく貢献できたことも明らかになりました。
炉間の通信を可能にすることにより、高エネルギーを使用しているときに2つ以上の動作を防ぐことが可能になりました。これはピーク負荷時間の15%の削減に貢献しました。バラット・フォージ社は、ピーク時を予測したり回避したりすることができ、実際の使用量データに基づいてエネルギー供給業者との既存の契約を再交渉し、さらにコストを削減することができました。
リアルタイム情報の入手とカスタマイズされたレポートの使用により、バラット・フォージ社は連続生産工程をより明確に把握することができました。これにより、改善ポイントを特定して認識し、より正確な計画プロセスでもって作業し、不要なエネルギー消費を最小限に抑え、コストを削減することができます。バラット・フォージ社は、生産施設内の一般的なエネルギー使用量を見て、鋳造所内で5%の削減を実現しました。
個々の資産の正確なエネルギー使用を特定することで、バラット・フォージ社は各資産に現実的なエネルギーコストを割当てることができ、それによって自らの価格政策を改善することができます。さらに、簡単に利用可能なリアルタイムのマシンデータを、履歴データ管理およびOEE分析に使用できるようになりました。
このソリューションの他のシステムと比較した大きな利点の1つは、バラット・フォージ社が実装後にそれを管理できることです。さらに、企業内の目標グループ指向の要件に基づいてレポートを変更し、独自のレポートを作成することができます。また、ますます増加する法的機関や環境組織を満足させるためのレポートも作成できます。最後に、ガスの使用量を見て、継続的で安定したプロセスを作成できました。
バラット・フォージ社は、生産エネルギー使用量と過去のデータ分析の統合と接続を確立することにより、コネクテッドエンタープライズの実現に向けて重要な一歩を踏み出し、生産をスマートでサステナブルにしました。
バラット・フォージ社は、エネルギー使用量をより正確に特定するために、生産施設全体にさらに電気メータを設置する予定です。旧式のガスおよび水道メータは、M-Bus接続のメータに置き換えられ、システム基盤に統合されます。さらに、追加のデータメータとCompactLogixコントローラを導入します。
頻繁に使用されるレポートは継続的に更新されます。今後、バラット・フォージ社では、タイムリーに対応できるようにするため、予期せず保留中のピーク負荷が発生した場合に、生産管理スタッフに自動的に通知するようにモバイル・アラーム・ツールの導入を計画しています。
Allen-Bradley, CompactLogix, FactoryTalk, LISTEN. THINK. SOLVE., POINT I/O, VantagePoint, およびRockwell Automationは、Rockwell Automation, Inc.の商標です。
Rockwell Automationに属していない商標は、それぞれの企業に所有されています。
公開 2017/10/01