いくつものユースケースを考えそして優先順位を付けるために、チームは工場で数週間を費やし、デジタルトランスフォーメーションに向けて準備が整っているかどうかを確認しました。彼らはERPを丹念に調べ上げ、マスターデータを深く掘り下げ、バックオフィスと製造現場の両方でビジネスがどのように行なわれているかを調べました。こうした作業のお陰で、チームはビジネスニーズと目標に沿ったデジタルイニシアチブを企画し優先順位を付けることができました。
グローバル・サプライ・チェーン・マネージャのハイデン・パウエル氏は、次のように述べています。「この初期段階において、我々は現場とファイナンスのチームを巻き込み、この活動がどの程度のメリットをもたらすのか、そしてそれは業界標準と比較してどの程度の物なのかを時間をかけて検証し、その検証結果に対してコンセンサスをとりながら進めていきました。」
転機の瞬間
製造プロセスの理解を深め、生産が実際にスペックを満たしていることが確認できた瞬間、それはコンポーネント部門にとって大きな「転機の瞬間」でした。
これまでには為し得なかった豊富なデータへのアクセスにより、プロセスの無駄な時間をすべて洗い出すことが可能になりました。また、製造エンジニアはプロセスを迅速に改善および最適化することができました。実際、改善活動開始の初日に全体のプロセス時間をなんと5%以上も短縮出できたのです。
さらに、プロセスの改善により工場への投資やシフトを追加する必要がないことが判明し、数十万ドルのコストも節約されました。結局、今あるリソースで事は足りていたのであって、それを証明するためのデータが無かっただけなのです。
この初期の成功はほんの始まりに過ぎませんでした。プロジェクトの範囲は、ボトルネックであった機器だけではなく全機器へ、そして国内外の他工場にも拡張されて行きました。
「この一連の作業は、私たちの将来の方向性を定義するのに非常に役立ちました」と、ハイデン・パウエルは言いました。「私たちが達成した最初のスプリントは数週間で完了しました。そして、これからはその継続がカギになります。なぜなら、それこそが長い道のりの一部だからです。」
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