お客様へのご提案
あなたが運転する道路があるのは、建設作業員だけでなく、アスファルト製造プラントおよび関連設備の大手プロバイダであるGencor Industries社のようなメーカのお陰です。
Gencor社は、100年以上にわたり、技術革新を通じて高速道路建設業界の業界標準作成に携わってきました。そして今、同社はIIoTテクノロジを駆使して業界に新しい可能性を生み出しています。
Gencor社は最近、さまざまな設備を繋いでデジタル化しそれを”製品化”する取り組みに着手しました。数年掛かることを見込んだこの取り組みの背後には、より多くの情報を顧客の手に渡し、より多くのかつ的確な情報に基づいた意思決定と、最終的にはその意思決定による業務の信頼性と収益の向上に繋げて貰いたいと言う願いがあります。
新しい道を舗装する
Gencor社は長い間、PLCデータを使い分析することで、お客様のオペレーションを理解し遠隔でサポートし続けてきました。しかし、同社は数年前、新たなIIoTプラットフォームとソリューションの導入により更なる付加価値を提供する取り組みを加速させる決断をしたのです。
同社は、デジタルトランスフォーメーションの推進を支援するために、CEOおよび他のリーダで構成されるチームを結成しました。「私たちはまず、どうやったら顧客にリーチし彼らをサポートできるかを話し合いました」と、Gencor社の上級副社長であるデニス・ハント氏は述べています。
情報収集フェーズは2019年に始まりました。このフェーズの一環として、Gencor社は、建設業界やその他の業界のデジタルトランスフォーメーションリーダが行なっていることをベンチマークし、ロックウェル・オートメーションが主催するAutomation Fair®などの業界イベントにも参加しました。そして、テクノロジパートナであるロックウェル・オートメーションおよびその戦略的提携パートナであるPTCと協力して、自社の製品のデジタルトランスフォーメーション戦略を策定しました。
フェーズ1の展開
現在、Gencor社はその変革の最初の段階にあります。このフェーズで活動されている内容は次の通りです。
- 接続されたセンサを使用した、温度や振動などの機器の運転データのリアルタイム監視
- クラウドベースのアプリケーションを使用した、タンクファームや熱システムなどのシステムの各種データ値の監視
- スケーラブルなプラントダッシュボードを使用した、運用管理のためのリアルタイム情報の提供
同社はこれらの活動を、まずは一握りの顧客プラントに展開しました。これまでのところは強い関心が寄せられていますが、それ以上に特筆すべきは、Gencor社がこれまでに導入したリモート接続はCOVID-19パンデミック禍に特に有用であることが証明されたと言うことです。
Gencor社は、FactoryTalk® InnovationSuite Vuforia Chalk (ハンディなARソリューション)などのツールを用い、実際に現場にいかずしてリモートで工場での製造や操業の立上げをサポートし続けています。
ハント氏は次のように述べています。「インターネットで繋がっていれば、お客様が何を見ているかがわかります。私たちは彼らとトラブルシューティングを実施し、更新やアップグレードも行なうことができますが、それより何より、何が起こっているのかを実際に体感することができるのです。我々がそこに居なくして工場の立ち上げに成功した実例が幾つもあります。」
別の事例では、インターネットで繋がれたベアリングの温度と振動をリモートで監視し、測定値が設定されたパラメータを超えた場合にアラームを出したりもしています。また、カナダのアルバータ州北部では、リモートアクセスにより、Gencor社のエンジニアが、衛星通信を使用してインターネットに接続するほど離れた場所にあるプラントをサポートしています。
今後の展望
Gencor社は今、デジタルトランスフォーメーションの最初のフェーズの最終コーナーに差し掛かっています。その後、このフェーズの一部として開発された一連の製品コンセプト全体が、ものの数か月で実展開できるようになると踏んでいます。
これまでGencor社は、社内の開発スケジュールとマイルストーンの進捗と完了をトラックすることで成功の度合いを測ってきました。今後は、顧客満足度などの定性的要因、顧客業務のパフォーマンスと信頼性の向上などの定量的要因、そして何よりGencor社内のビジネス成長が成功の指標となるでしょう。
次のフェーズに向けて、Gencor社は拡張現実および仮想現実(AR/VR)技術の利用を拡大していくことになるでしょう。これまで、同社はトレーニング目的でARとVRを使用してきました。これにより、お客様は機器をより効率的に操作し、サービスを提供することができる訳ですが、今後は、AIと組み合わせることで製品のパフォーマンスの向上を模索することになると思います。
「私たちがこれまで行なって来たことがお客様の役に立っていることは明らかです。今後は、お客様の機器が今何をしているのか、どう作業しているのかがもっと見えるような形でサポートを継続していきます」と、ハント氏は述べています。
公開 2020/11/16